研究課題
(1)関節リウマチ患者における睡眠障害と関節炎の活動性との関係を検討した。【方法】関節リウマチ患者(N=263)対照群健常者(N=88)に対してピッツバーグ睡眠質問表、Epworth sleepiness scaleを中心とする睡眠に関するアンケートを施行し、関節リウマチの活動性(朝のこわばり、腫脹関節数・疼痛関節数、CRP・RF値)と併せて評価した。【結果】アンケート調査の結果、腫脹・疼痛関節数の多い患者群では全睡眠時間が有意に短く(p,0.01)、関節リウマチ患者で夜間就寝後覚醒時間、夜間中途覚醒回数が有意に多かった(p<0.05)。【結論】リウマチ患者は、夜間覚醒型睡眠障害が多く、睡眠に関する自覚症状と関節リウマチの活動性の関連が示唆された。(2)実験的関節炎と生体の概日リズムを司る生物時計との関係を検討した。【方法】Cry1/2 KOマウスに関節炎を誘導し、抗TNFα抗体を用いた関節炎抑制効果を評価した。同時に脾臓におけるTNFα蛋白発現を評価した。【結果】Cry1/2 KOマウスにおいて関節炎は有意に増悪した。また、Cry1/2 KOマウスの関節炎は抗TNFα抗体によって有意に抑制された。脾臓におけるTNFα蛋白発現は関節炎発症に伴って増加し、抗TNFα抗体によって有意に抑制された。【結論】時計遺伝子の欠損により実験的関節炎は増悪し、それはTNFαに依存することが解った。これらの結果は、関節炎、炎症性サイトカインと生体リズムの関与を示唆するものであった。
すべて 2010 2009
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件)
J Immunol 184
ページ: 1560-5
Mod Rheumatol 19
ページ: 637-42
ページ: 416-9
リウマチ病セミナー(20)第1章 Myositis とウィルス(永井書店)
ページ: 1-6