研究課題/領域番号 |
20591173
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
川上 純 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (90325639)
|
研究分担者 |
井田 弘明 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (60363496)
阿比留 教生 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (00380981)
玉井 慎美 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 客員研究員 (60380862)
藤川 敬太 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (90404285)
川尻 真也 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (20457576)
|
キーワード | 関節リウマチ / 滑膜線維芽細胞(FLS) / HL-60 / 末梢血単核球(PBMC) / 蛋白シトルリン化 / ヒストン / PADI4 / 抗CCP抗体 |
研究概要 |
PADI4発現をRT-PCRで確認した。ヒト末梢血単核球(PBMC)、ヒト細胞株HL-60でのPADI4発現は確認されるもヒト滑膜線維芽細胞(FLS)でのPADI4発現は認めなかった。シトルリン化蛋白発現もPBMC、HL-60では陽性なるもFLSでは認めなかった。シトルリン化蛋白はヒストン分子量の部位に強く検出された。次にPBMCのCaMKII活性化と蛋白シトルリン化を検討した。CaMKII活性化阻害をchemical inhibitor、KN93で誘導しても蛋白シトルリン化の低下は検出されなかった。In vitro実験結果では有意なCaMKII-蛋白シトルリン化経路が不明確ではあるがヒストンがシトルリン化の大きなターゲット分子であると考えられた。そこで関節リウマチ(RA)患者血清とヒストンの反応性を検討した。ヒストンは非シトルリン化ヒストンとin vitroシトルリン化ヒストンを用い患者血清との反応性は抗ヒトIgG-ELISAで検出した。現在までの結果では、1.抗CCP抗体陽性早期RA患者血清のヒストンに対する反応性は抗CCP抗体陰性早期RA患者血清より高い。2.ヒストンに対する反応性は抗CCP抗体陰性早期RA患者血清と健常人血清には差はない。3.抗CCP抗体陽性早期RA患者血清の一部分はシトルリン化ヒストンに対する反応性がより高いことが分かってきた。すなわちin vitroで検出されるヒストンのシトルリン化は抗CCP抗体陽性RAでは免疫反応を誘発していると考えられた。今後はin vitroでのCaMKII-蛋白シトルリン化経路の確認実験を追加し、細胞種でのCaMKIIアイソフォーム機能とRA患者で検出される事象の関連性を追求したい。
|