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2009 年度 実績報告書

関節リウマチにおけるサイトカインによる骨芽細胞分化障害の分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20591178
研究機関愛知医科大学

研究代表者

山村 昌弘  愛知医科大学, 医学部, 教授 (80252956)

キーワード関節リウマチ / 骨芽細胞 / 炎症性サイトカイン / 骨形成タンパク質 / 腫瘍壊死因子 / Smad
研究概要

関節リウマチ(RA)における骨破壊の進展には、滑膜病変部における炎症性サイトカイン発現による破骨細胞誘導とともに骨形成障害が関与している。本研究では、RA滑膜のサイトカイン発現に伴う骨形成障害の分子機構の明らかにするため、マウス由来筋芽細胞株C2C12細胞の骨芽細胞への分化・活性化を制御する骨形成タンパク質(bone morphogenetic protein : BMP)のレセプター発現とそのシグナル伝達経路と転写因子の活性化に及ぼす炎症性サイトカインTNF-αの作用を分子レベルで解析した。
C2C12細胞は機能的BMPレセプターを発現し、ALK-6以外のSmadシグナル分子を有し、BMP存在下で骨芽細胞に分化した。このC2C12細胞の分化には転写因子Runx2とオステオカルシン分子の誘導を伴い、ALP活性とPTH反応性cAMP産生を認めた。TNF-αはC2C12細胞の骨芽細胞への細胞形態変化、Runx2/オステオカルシン発現、ALP活性/PTH反応性などを阻害した。TNF-αはC2C12細胞の機能的BMPレセプターの発現には影響しなかった。TNF-αによるC2C12細胞の骨芽細胞分化の阻害には、BMP-2によるSmad1,5,8のリン酸化の抑制が関連し、cDNAアレイによる解析では阻害性Smad6の誘導が関与していた。BMP-2刺激されたC2C12細胞において、TNF-αはMAPキナーゼのERK1/ERK2とSAPK/JNKのリン酸化を誘導した。さらに、SAPK/JNK経路特異的な活性化阻害化合物の添加により、C2C12細胞のBMP-2依存性骨芽細胞分化に対するTNF-αの阻害活性は消失した。
BMP依存性の骨芽細胞分化において、TNF-αはBMP-Smadシグナル経路を抑制することにより、分化阻害を起こすことが明らかになった。このTNF-αの骨形成障害の誘導には、MAPキナーゼのSAPK/JNK経路が重要な役割を担っており、その下流には阻害性Smad6の誘導が関与していることが推定された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ヒト間葉系幹細胞の骨芽細胞分化に及ぼす炎症性サイトカインの作用2009

    • 著者名/発表者名
      向井知之, 他
    • 学会等名
      第53回日本リウマチ学会総会・学術集会
    • 発表場所
      グランドプリンスホテル新高輪(東京都)
    • 年月日
      2009-04-25

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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