研究概要 |
抗核内因子抗体の網羅的解析システムの構築 (1)核内因子の融合蛋白のプロティング 細胞増殖周期、恒常性維持などに重要な機能をもつ、種々の核内因子96種類を大腸菌にGST融合蛋白として発現させ1枚のDEAEシートにブロッティングした。通常の臨床検査にて抗核抗体陽性と確認された血清を希釈してこのブロッティングシートを用いて対応抗原の検索を行った。この際、GST蛋白をバックグラウンドとしたが、HMG1に対して血管炎症候群患者血清が反応した他、数例の抗核抗体陽性患者血清において、いくつかの転写因子と反応しており、その特異性をさらに検討している。今後はさらに、一度に大量の対応抗原を検索するために、1シート約400ブロットしたシステムを実用化したい。この方法で、十分な特異度・検出が得られない場合は、融合蛋白より核抗原を精製した後にブロッティングして、検出をこころみる。 (2)転写因子の翻訳後修飾と抗核抗体 翻訳後修飾を受けた核内蛋白にのみ反応する抗体の存在も考えられ、GST蛋白からの精製蛋白をさらにin vitro acetylation(GST-CBP(HAT)またはGST-PCAF(HAT)とAcetyl CoA添加),in vitro methylationなどの修飾をおこなった後にブロッティングして、同様の検討を行ったところ、アセチル化により血清がはじめて反応した検体の存在が確認された。また、核内蛋白をあらかじめブロッティングしたシートごとアセチル化、メチル化などを行い、解析するシステムの開発も検討する予定である。
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