1、自己免疫疾患患者のデータの蓄積 初年度は、患者頻度の最も多い関節リウマチ患者を中心にデータの蓄積、解析を行った。NKT細胞数はストックした検体では分からないため、今回新たに50例以上の検体を採取し、末梢血中のNKT細胞数と血漿中の可溶性CDldの濃度を測定した。さらに、同一検体でNKT細胞数と可溶性CDld濃度との関連の検討を行った結果、正の相関を認めた。 2、可溶性CDldの血の量の測定 所属する教室で独自に作成した抗可溶性GDldポリタローナル抗体と、市販の抗CDldモノクローナル抗体を組み合わせた酵素抗体法にて、ヒト血漿中の可溶性CDldを測定出来る薪たなシステムを構築した。これは、類似のCDld変異体には全く反応せず、可溶性CDldにのみ反応する特異度の高い測定法であることが確認された。 3、リコンビナント可溶性CDldの蛋白精製 可溶性CDldにタグを付け、それに対する抗体での回収を試みている。タグはFlagとHisを用いていており、ある程度の精製度は得られたが、可溶性CDld以外の成分が混入している可能性も否定出来ないため、空ベクターを導入した細胞から、可溶性CDldの蛋白回収と同様の方法で得られたサンプルをコントロールとして使用することとした。 4、可溶性CDldの機能解析 存在は確認されたものの、可溶性CDldが何らかの機能を持つ分子なのかが問題である。そこで、最も良く知られているリガンドのα-GalCerからの刺激が可溶性CDldを介して入るか否かを検討した。その結果、可溶性CDldを介した刺激によりNKT細胞からのIFN-γ産生が誘導されることが確認された。
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