研究概要 |
1.平成21年度研究では、昨年度に引き続き顆粒球/単球系前駆細胞(Granulocyte/Monocyte progenitor ; GMP)以下のの細胞集団でのIL-25レセプター(IL-25R)発現について解析を進めた。in viteo cultureにて、IL-25R陰性GMP細胞が、顆粒球/単球へと分化したのに対し、IL-25R陽性GMP細胞は、好酸性の顆粒を有するGr-1^<low> CD11b^+FceRIa^-DX5^-の均一な細胞集団へと分化した。PCRによる遺伝子解析で、IL-25R陽性GMP細胞は、MCP-5陰性、FceRIa陰性、IL-5Ra陽性、EoPO陽性、MBP陽性である事から、好酸球系統にコミットメントした前駆細胞の可能性が考えられた。 2.我々が以前に同定したマウス骨髄中の好酸球前駆細胞(Eosinophil progenitor ; EoP, Lin^-Sca-1^-CD34^+c-Kit^<low>IL-5Ra^+細胞)を解析すると、IL-25Rの均一な発現を認めた(集団の約40%)。これに比較して、EoP分化の上流に位置するGMPは、集団の約3%程度にしかIL-25Rの発現を認めず、また下流に位置する成熟好酸球は全く発現していないことから、IL-25RはEoP stage特異的に発現していると考えられた。 3.喘息誘導マウスおけるIL-25R発現EoP細胞の動的変化を観察した。喘息誘導の早期・後期いずれの時相においても、骨髄中のEoP細胞の頻度・IL-25R発現レベルに変化を認めなかった。また、喘息誘導マウスの末梢血・縦隔リンパ節・肺胞洗浄液(BAL液)中のいずれの部位にもEoP細胞の出現は認めなかった。 4.現在、IL-25刺激によるEoP細胞からのサイトカイン産生能などの生体内における生理的役割を解析中である。
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