研究課題/領域番号 |
20591188
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
出原 賢治 佐賀大学, 医学部, 教授 (00270463)
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研究分担者 |
太田 昭一郎 佐賀大学, 医学部, 助教 (20346886)
金地 佐千子 佐賀大学, 医学部, 助教 (50363429)
白石 裕士 佐賀大学, 医学部, 助教 (80452837)
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キーワード | アレルギー・ぜんそく / 遺伝子 / 蛋白質 / 免疫学 |
研究概要 |
Th2型サイトカインであるIL-13によるアレルギー疾患の病態形成機序を明らかにするために,我々は以前マイクロアレイ法を用いて網羅的に気管支上皮細胞におけるIL-13誘導遺伝子を同定し,その中にイオンチャネルであるpendrinが含まれることを見出していた。今年度はこのpendrinについての機能解析を進め、以下の結果を得た。 (1)初代培養気道上皮細胞をair-interface法にてIL-13存在下で培養すると、粘液産生細胞に分化しその分化した細胞においてマイクロアレイ法を用いた網羅的遺伝子解析を行った結果、誘導遺伝 の中にpendrin遺伝子が含まれていた。 (2)気管支喘息あるいはCOPDのモデルマウスの肺組織、あるいは喘息患者の肺組織においてpendrinの発現が増強していた。 (3)気道上皮細胞株にpendrinを強制発現すると、粘液産生が亢進した。 (4)マウス肺組織にウイルスベクターを用いてpendrinを強制発現させると、好中球浸潤とともに、粘液産生が亢進した。 以上の結果より、pendrinは気管支喘息、COPDに共通した粘液産生における重要なメデイエーターであることが明らかとなった。今後pendrinの機能解析については、(1)pendrinノックアウトマウスを用いた気管支喘息、COPDのモデルマウスの病態におけるpendrinの役割についての検討、(2)pendrin発現細胞株を用いたpendrinによるムチン遺伝子発現機序についての検討、(3)製薬会社との共同研究によるpendrinに対する阻害剤の探索と、その化合物の気管支喘息、COPDに対する治療薬としての開発を計画している。
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