研究課題/領域番号 |
20591188
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
出原 賢治 佐賀大学, 医学部, 教授 (00270463)
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研究分担者 |
太田 昭一郎 佐賀大学, 医学部, 助教 (20346886)
鈴木 章一 佐賀大学, 医学部, 助教 (40253695)
白石 裕士 佐賀大学, 医学部, 助教 (80452837)
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キーワード | アレルギー・ぜんそく / 遺伝子 / 蛋白質 / 免疫学 |
研究概要 |
Th2サイトカインであるIL-13とIL-4は共通のレセプターを持ち、同じ細胞内情報を伝達するにもかかわらず、生体内において両者は異なる生物作用を発揮し、気管支喘息などのアレルギー疾患の発症機序においてIL-4ではなくIL-13が中心的な役割を果たしていることが以前より大きな疑問として存在していた。今回、IL-13とIL-4の共通のレセプター構成成分であるIL-13受容体α1鎖とIL-13、あるいはIL-4との相互作用を、生化学的手法と構造生物学的手法を組み合わせて明らかにした。これにより、IL-13受容体α1鎖の76、77、78番目のリジン、リジン、イソロイシンの3つのアミノ酸がIL-13とは結合するが、IL-4とは結合しない能力を持っていることを確定した。これにより明らかとなったIL-13Rα1の性質により、なぜIL-13とIL-4が同じ濃度であってもIL-13の方が強いシグナルを伝達し、気管支喘息などのアレルギー疾患においてIL-13がIL-4に比べて中心的な役割を果たしているかについての分子的機序が説明できるようになった。現在、気管支喘息などのアレルギー疾患に対する治療薬としてIL-13阻害薬が開発されようとしており、本研究は、アレルギー分野におけるIL-13とIL-4に関しての大きな疑問に答えるばかりではなく、アレルギー疾患に対する治療薬の開発の基盤にもつながる成果として期待される。
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