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2010 年度 実績報告書

ヒトNKTサブセットのアジュバント効果を応用したTh17応答制御法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20591190
研究機関関西医科大学

研究代表者

植村 靖史  愛知県がんセンター(研究所), 腫瘍免疫学部, 主任研究員 (40364781)

キーワード自己免疫 / がん / 炎症 / 免疫 / 樹状細胞 / NKT細胞 / 免疫制御
研究概要

CD1d拘束性のインバリアントNKT細胞は、自己免疫疾患や感染症、腫瘍免疫応答に重要な役割を演じている。しかしながらNKT細胞のもつ詳細な免疫制御機構は未だ解明されていなかった。私達は、NKT細胞と樹状細胞(DC)の相互作用に着目して、NKT細胞の免疫制御機構の解析を行った。NKT細胞とDCとの共培養系より、NKT細胞の活性化はDCの成熟を誘導するとともに、DCにおけるIL-12p70産生を促進する。その一方でIL-23産生を抑制することが明らかとなった。これの分子メカニズムは、NKT細胞が産生する調和のとれたTヘルパーサイトカインによるものであった。つまり、NKT細胞の産生するIFN-γ,IL-4,IL-13は、相互相乗効果によってDCにおけるIL-12p70産生を促進する。ところがNKT細胞の産生するIL-4,IL-10,IL-13は、IFN-γによって誘導されるIL-23産生を抑制する。これらIL-12/23産生制御は、IL-12p35,IL-23p19の遺伝子発現制御によるものであった。さらに、これに起因してメモリーTヘルパー細胞におけるIL-17産生が抑制されることが明らかになった。これらの観察は、NKT細胞がIL-12p70誘導性の細胞性免疫応答を促進するとともにIL-23依存性の炎症性病態を抑制することを示唆しており、NKT細胞が自己免疫応答に対して抑制的に作用し、腫瘍免疫応答に促進的に作用するメカニズムを説明しうるものである。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Development of a High Resolution Purification Method for Precise Functional Characterization of Primitive Human Cord Blood-derived CD34-negative SCID-repopulating Cells2010

    • 著者名/発表者名
      Ishii, M.
    • 雑誌名

      Exp.Hematol.

      巻: 39 ページ: 203-213

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 5-Aza-2-deoxycytidine treatment induces skeletal myogenic differentiation of mouse dental pulp stem cells.2010

    • 著者名/発表者名
      Nakatsuka, R.
    • 雑誌名

      Arch-Oral Biol.

      巻: 55 ページ: 350-357

    • 査読あり
  • [雑誌論文] NKT細胞のアジュバント効果と抗腫瘍免疫応答への応用2010

    • 著者名/発表者名
      成田弥生
    • 雑誌名

      Cytometry Research

      巻: 20 ページ: 19-25

    • 査読あり
  • [学会発表] Cytokine-dependent modification of IL-12p70 and IL-23 balance in dendritic cells by ligand activation of Va24 invariant natural killer T cells2010

    • 著者名/発表者名
      Uemura, Y.
    • 学会等名
      14th International Congress of Immunology
    • 発表場所
      神戸国際コンベンションセンター(兵庫県)
    • 年月日
      20101022-20101027

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公開日: 2012-07-19  

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