研究課題
1.FcεRIβ鎖の発現抑制によりFccεRIの架橋によるヒトマスト細胞のLynの細胞内局在の変化は抑制された。ヒト末梢血由来培養マスト細胞のFcεRIβ鎖をノックダウンするとIgE依存性のマスト細胞の活性化が阻害されたため、その機序の解明を行った。FcεRIの架橋後にFcεRIβ鎖はLynなどのSrc kinaseによってITAMのチロシン残基がリン酸化され、同時にチロシンリン酸化されたFcεRIβ鎖ITAMにLynが会合し、Lynが細胞膜へ移行するが、FcεRIβ鎖の発現を抑制されたマスト細胞ではLynの細胞膜への移行が阻止されていることがわかった。したがってFcεRIβ鎖がIgE依存性のヒトマスト細胞の活性化を制御していることが示唆され、Lynの細胞膜への移行を阻止することがIgE依存性のヒトマスト細胞の活性化を抑制できるのではないかと考えドミナントネガティブな効果を期待しFcεRIβ鎖のITAMチロシン残基をリン酸化させたペプチドに細胞膜透過性ペプチドと結合させたペプチドを作製しIgE依存性のマスト細胞の活性化に対する効果を検討した。2.FcεRIβ鎖のITAMのチロシン残基をリン酸化させたペプチドがヒトマスト細胞の活性化を抑制した。FcεRIβ鎖のITAMのチロシン残基をリン酸化させたペプチドはLynに会合した。ヒトマスト細胞をヒトリコンビナントIgE(1μg/ml)で24時間感作したのち、洗浄し、このペプチドあるいはコントロールのペプチド5μMと細胞を10分37℃でインキュベートし、抗IgE抗体あるいはcalcium ionophoreで30分37℃でインキュベートしたのちの細胞上清中に遊離されたヒスタミンを測定したところFcεRIβ鎖ITAMのチロシン残基を3つリン酸化したペプチドおよび外側2つのチロシン残基をリン酸化したペプチドがIgE依存性の脱顆粒を統計学的有意に抑制した。
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