研究概要 |
初年度である昨年度は、予備実験での至適濃度や至適時間の検索後、活性化好酸球の網羅的な遺伝子発現解析(Microarray解析)の本実験を行い、刺激によって好酸球に発現誘導され、かつ他の血球細胞に発現していない分子群を抽出した。また、そうした好酸球活性化分子の中から好酸球特異的に発現しており、かつ機能的にアレルギー性炎症病態に関与していることが推察される分子として、Amphiregulin(AREG)に着目し、詳細な解析を行った。その結果、GM-CSF刺激によって好酸球が有意にAREGを産生放出することが明らかとなった。 本年度は、昨年度実施した遺伝子発現の網羅的解析結果を詳細に解析し、IFN-gamma刺激でCXCL10,CXCL11,FCGR1A,GBP3,TRAIL,STAT1,IFIT3,TLR8,IL-8、IDOが、IL-5刺激でFCGR2B,IL1RL1,HMOX1,TARP,CCL23,MAFF,CLEC7Aが、固相化したIgA刺激でHMOX1,MT1E and EPORなどが誘導される事を明らかにした。 また、この好酸球活性化分子の中から好酸球特異的に発現しており、かつ機能的にアレルギー性炎症病態に関与していることが推察される分子として、CCL23に着目し詳細な検討を行った。その結果、好酸球をGM-CSF、IL-5で活性化することによってCCL23蛋白が培養上清中に産生放出されることが明らかとなった。最終年度である平成22年度は上記分子群の詳細な検討を更に進める予定である。
|