研究課題
好酸球数はアレルギー性炎症の最も良い指標とされているが、好酸球のアレルギー病態における役割については不明な点が多く残されている。私達はMicroarrayを用いて好酸球特異的な機能の網羅的な探索を試みた。その結果、軽症のアレルギー患者末梢血から純化した好酸球を100ng/ml IFN-γ、10ng/ml IL-5もしくは固相化した100μg/ml secretory IgA (sIgA)刺激6時間後に、vehicle刺激と比較してそれぞれ839、197および117遺伝子の発現が2倍以上増強した。それらにはIFN-γ : CXCL10、CXCL11、FCGR1A、GBP3、TRAIL、STAT1、IFIT3、TLR8、IL-8、ID0IL-5 : AREG,FCGR2B、IL1RL1、HMOX1、TARP、CCL23、MAFF、CLEC7A、M-CSFsIgA : HMOX1、MT1E、EPORなどが含まれていた。これらの遺伝子のうち、49、111および8遺伝子は他の血液細胞にはconstitutiveには発現していない遺伝子であった。特にアレルギー性炎症病態に好酸球特異的に関与すると考えられるAREG、CCL23に関してはすでに詳細な分泌制御を検討し、論文化した。M-CSFについては、現在、臨床検体における発現上昇を確認している。以上の結果から、好酸球はeffector cellとしてだけでなくregulatory cellとしてもアレルギー性炎症反応に関与する可能性が示唆された。
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International Archives of Allergy and Immunology
巻: 155 suppl 1 ページ: 34-39
巻: 155 suppl 1 In Press
巻: 152 suppl 1 ページ: 2-8