研究課題/領域番号 |
20591197
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(長崎医療センター臨床研究センター) |
研究代表者 |
右田 清志 独立行政法人国立病院機構(長崎医療センター臨床研究センター), 病因解析研究部長 (60264214)
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研究分担者 |
石橋 大海 独立行政法人国立病院機構(長崎医療センター臨床研究センター), 臨床研究センター長 (80127696)
江口 勝美 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (30128160)
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キーワード | cropyrin / MEFV遺伝子 / 家族性地中海熱 / Pyrin |
研究概要 |
cryopyrinは、細胞内のストレス分子のセンサー分子でストレス分子を認識すると重合化をおこし、最終的にCaspase-1の活性化がおこり、IL-1β、IL-18の産生がおこり自己炎症が生じる。家族性地中海熱(FMF)においては、cryopyrinの制御蛋白であり、PyrinをコードするMEFV遺伝子の変異で発症する。Pyrinは好中球に発現していることよりFMF患者の好中球の活性化状態を検討した所、FMF患者好中球においてCD64分子の発現亢進が確認された。また健常人の末梢血の好中球をリポポリサッカライド(LPS)で刺激すると、好中球のCD64分子の発現亢進が確認された。以上の結果よりCD64はFMFで生じているcryopyrinの機能異常による好中球の活性化のバイオマーカーになり得ることが示唆された。今後、cryopyrinのリガンドであるムラシルジペプチド(MDP)で刺激しCD64分子の発現の変化、IL-1βの産生等を検討する。さらにこの実験系においてFMF患者の好中球の反応およびコルヒチンの影響について検討する予定である。また、海外で報告のないMEFV遺伝子エクソン1のE84Kヘテロ変異を認めた家族性地中海熱の1例を報告した。本邦例は、滑膜炎を主症状としており、発熱を伴っておらずFMFの一亜型である可能性が考えられた。
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