C. difficileは院内感染の主要な病原菌であり、しばしば病院内でアウトブレイクを引き起こす。しかしながら、C. difficileがどのように病気を引き起こすかは不明のままである。C.difficileは鞭毛タンパクのフラジェリンを有するが、C.difficileフラジェリンが発症に関与する機序について解析を行った。腸管上皮細胞において、C.difficileフラジェリンは、TLR5を介してNF-kappaBやp38MAPKを活性化した。またC.difficileフラジェリン刺激によりTLR5を介して炎症性サイトカインIL-8やCCL20を産生した。さらにC.difficileのトキシンBとフラジェリンの両方で刺激を行うと、炎症性サイトカインの産生はさらに亢進した。以上から、C. difficileフラジェリンは、病態発症に重要な役割を演じていることが示された。
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