研究課題/領域番号 |
20591205
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
泉川 公一 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (20404212)
|
研究分担者 |
河野 茂 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80136647)
|
キーワード | 慢性肺アスペルギルス症 / 侵襲性肺アスペルギルス症 / バイオフィルム / 併用療法 / カテーテル留置モデル |
研究概要 |
本研究は、実際の慢性壊死性肺アスペルギルス症やアスペルギローマなどの慢性肺アスペルギルス症の臨床症例を忠実に反映したモデルとして、慢性閉塞性肺疾患(COPD)をベースとした慢性肺アスペルギルス症のマウスモデルを作成し、局所における病態解析をはじめ、診断法開発、治療法の確立を目指すものである。 平成21年度の計画として、COPDマウスモデルの作成とアスペルギルス感染COPDマウスモデルの確立することである。 1. アスペルギルス慢性感染マウスモデルの確立 前年度までに、種々の条件において、マウスモデルの確立を試みるも、臨床分離株Aspergillus fumigatus MF13のconidiaの気管内投与では、感染を確立できないために、アスペルギルスでバイオフィルム状態になっているカテーテルの経気道的挿入による感染モデルの作成を試みた。再現性に問題はあるものの、約1週間の間、アスペルギルスが気管内に留まる条件を検索し得た。さらに生存期間が延長するような詳細な条件設定を行い、慢性感染のモデルに発展させる予定。 2. アスペルギルス感染マウスモデルにおける治療実験 慢性モデル作成と平行して、侵襲性肺アスペルギルスマウスモデル(免疫抑制剤使用)にて、micafungin(腹腔内投与)+liposomal amphotericin B(吸入投与)の併用治療について検討し、併用療法群が単独治療群より治療効果が高いことが証明され、また、amphotericin Bの血清中への移行がほとんどないことも確認された。今後の新しい肺アスペルギルス症の治療法として有用である可能性がある。
|