研究概要 |
20人の潰瘍性大腸炎患者を抗菌剤投与群と非投与群に分けて治療前後の臨床所見を比較しところ、抗菌剤投与群で有意な改善を認めた。 また、治療前後での大腸粘膜として,虫垂,盲腸,上行結腸,横行結腸,下降結腸,S状結腸,直腸の細菌のDNAを採取し,制限酵素HhalとMsp1で切断して,Terminal Restriction Fragment Length Polymorphism Analysis(T-RFLP)法にて細菌叢のパターンを調べたところ、抗菌剤投与群ではある塩基長(Hha1 1000bp, Hha1 100〜200bpとMsp1 100〜200bpで治療後にピークの低下を認めたが、非投与群のT-RFLPでは治療前後で差を認めなかった。 制限酵素Hha1 1000bp以上、Msp1 100〜200bpに含まれる菌種はDorea formicigenerans, Clostridium clostridioforme, Uncultured bacterium HuCB21などであり,制限酵素Hha1 100〜200bp、 Msp1 100〜200bpに含まれる菌種はBacteroides vulgatus, Eubacterium rectale, Fusobacterium varium, Uncultured E.NB2A11などであった。これは,コンピュユター解析の結果である。 以上より,ピークの低下を認めた塩基長について,クローニングを行い,それに該当する細菌種を同定するべく,実験中である。
|