研究課題/領域番号 |
20591219
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
中井 昭夫 福井大学, 医学部, 助教 (50240784)
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研究分担者 |
川谷 正男 福井大学, 医学部附属病院, 助教 (10362047)
吉澤 正尹 福井大学, 教育地域科学部, 教授 (30020126)
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キーワード | 認知科学 / 発達障害 / リハビリテーション科学 / バイオメカニクス / 不器用さ / 脳科学 / ニューロイメージング / 発達小児科学 |
研究概要 |
高機能広汎性発達障害、注意欠陥・多動性障害、学習障害など発達障害に「不器用さ」と表現される協調運動の稚拙さ:「発達性協調運動障害」を併せ持つ頻度は高いが、その医学的・脳科学的研究はほとんどなされていない。本研究は、多数の臨床例の詳細な検討、協調運動・ロコモーションのバイオメカニクス解析、機能的NIRSやMRIなど脳機能イメージングを結びつける事により、各障害相互の関連の解明、新しい疾患概念の提唱、乳幼児・就学前健診の科学的裏づけ、新しい療育プログラムの開発などにつなげるものである。今年度は、1)高機能広汎性発達障害72例で「不器用さ」について検討し、粗大運動発達の遅れを40%、微細運動発達の遅れを33%に認めた。2)発達障害143例で書字困難を68%に、微細運動の苦手さを49%に認めた。これらより高機能広汎性発達障害にも多様性があり、単純にアスペルガー障害の診断基準に「不器用さ」を加える説には疑問も残る。3)現在、我が国において、子どもの「不器用さ」「発達性協調運動障害」に関して、これらを客観的に評価する指標はほとんどないため、国際共同研究にてDevelopmental Coordination Disorder Questionnaire (DCDQ)、Motor Observation Questionnaire for Teachers (MOT-Q)の日本語版の作成を行った。4)高性能モーションキャプチャーと多項目運動解析ソフトのデータコンバートの検証とロコモーション・微細神経学的徴候の計測の基礎的検討を行い、測定方法を確立した。次年度はDCDQ, MOQ-Tを加えた子どものディメンショナルな評価とバイオメカニクス解析を組み合わせ、「発達性協調運動障害」の発達小児科学的検討を行う予定である。
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