研究課題
医学教育の中で、いかに小児科の基本を身につけさせるか、小児科への興味を高め、将来の小児科医育成につなげるか、いずれも極めて重要な課題である。OSCE(客観的臨床能力試験)は臨床技能を評価する試験として、また教育手段として定着しつつあるが、多くの場合、共用試験レベルにとどまっており、卒業レベルあるいは研修医レベルの小児科教育・評価に適した課題の開発は遅れている。平成20年度、我々は小児科の教育や評価に利用できるOSCEの課題作成や実施のノウハウを開発する目的で、全国の小児科医の協力を得て小児科OSCEのワークショップを実施し、課題作成を行った。今年度は腸重積や胃腸炎などの消化器疾患に関する課題作成を行い、ワークショップには模擬患者にも参加してもらい、小児OSCEの課題を演じられる模擬患者の養成を同時に行った。作成された課題を用いて模擬OSCEを実施し、課題のブラッシュアップを行った。また、小児OSCEの課題あるいは画像素材などを全国に提供できるサーバーシステム、学生や研修医が自己学習できるシステムの基本骨格を構築し、次年度より、データの収集を図る予定である。また、海外における小児科OSCEの実施状況を調査するため、英国グラスゴー大学の卒業時OSCEを視察し、情報収集と意見交換を行った。英国では模擬患者、実際の患者、シミュレーター、画像などを様々に活用し、小児科だけで7ステーションのOSCEを実施しており、次年度以降の研究推進にとって有益な情報が得られた。
すべて 2009 2008
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)
小児科 50
ページ: 85-92
日本小児科学会雑誌 112
ページ: 793-801
医学教育 39
ページ: 199-203