我々は改変したHIV由来のレンチウイルスベクターシステムを用いて進行性神経疾患であるクラッベ病の遺伝子治療を検討した。クラッベ病の欠損酵素発現遺伝子GALCを組込んだレンチウイルスを作成し、大量培養および超遠心により高力価ウイルスの作成に成功。日齢1-2のクラッベ病モデルマウス(Twitcher mouse)に対して高力価レンチウイルスを静脈経由で全身投与し、その効果を調べた結果、治療群において栄養状態、寿命の有意な改善を見た。また大腿神経の病理学的な改善(グロボイド細胞の減少)も得られている。また基質合成阻害剤であるL-シクロセリンの皮下注射を併用したところ、表現型の更なる改善が認められた。
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