メタボリック症候群発症の背景としての脳脂肪細胞系の生後発達とその異常に関する検討

2010 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 20591236
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 小児科学
• 研究機関: 産業医科大学
• 研究代表者: 山本 幸代 産業医科大学, 医学部, 講師 (20279334)
• 研究分担者: 土橋 一重 昭和大学, 医学部, 講師 (60260569)
• 研究期間 (年度): 2008 – 2010
• キーワード: Nesfatin-1 / 室傍核 / 弓状核 / 摂食調節 / 生後発達 / 脳脂肪細胞系 / 視床下部 / 視索上核

研究概要

Nesfatin-1は近年発見された摂食調節蛋白で脳脂肪細胞系の主要因子として注目されている。今回我々は生後発達過程の仔ラットを用いて視床下部におけるNesfatin-1遺伝子発現をIn situハイブリダイゼーション法を用いて検討した。Nesfatin-1遺伝子の発現は、生後発達過程においてそれぞれ特異的な発現動態のパターンを呈し、それぞれの部位における生理作用に密接に関連している可能性があることが示唆される。次に我々は、母仔分離による母乳制限が遺伝子発現に与える影響を検討した。PVN、SONともにNesfatin-1遺伝子の発現は有意に増加した。Nesfatin-1は離乳前の時期においても浸透圧調節に関与していることが示唆された。

研究成果

• [雑誌論文] Increased plasma isoprostane is associated with visceral fat, high molecular weight adiponectin, and metabolic complications in obese children. (2010)
  • 著者名/発表者名: Araki S, Dobashi K, Yamamoto Y, Asayama K, Kusuhara K
  • 雑誌名: Eur J Pediatr. 169(8) ページ: 965-970
  • 査読あり
• [雑誌論文] Prevalence of 'obesity disease' and 'metabolic syndrome' in obese pediatric outpatients at the University Hospital of Occupational (2008)
  • 著者名/発表者名: Araki S, Dobashi K, Kubo K, Kawagoe R, Yamamoto Y, Kawada Y, Asayama K, Shirahata A
  • 雑誌名: Environmental Health J UOEH 30 ページ: 309-319
  • 査読あり
• [雑誌論文] Plasma visfatin concentration as a surrogate marker for visceral fat accumulation in obese children Obesity (2008)
  • 著者名/発表者名: Araki S, Dobashi K, Kubo K, Kawagoe R, Yamamoto Y, Kawada Y, Asayama K, Shirahata A
  • 雑誌名: 16 ページ: 384-388
  • 査読あり
• [雑誌論文] Postnatal development of galanin-like peptide mRNA expression in rat hypothalamus. (2008)
  • 著者名/発表者名: Kawagoe R, Yamamoto Y, Kubo K, Dobashi K, Asayama K, Shirahata A, Ueta Y
  • 雑誌名: Regulatory Peptide 145 ページ: 133-140
  • 査読あり
• [学会発表] Decreased plasma levels of brain-derived neurotrophic factor and its relationship with obesity-related metabolic complication, birth weight and plasma levels of adipocytokines in obese children. (2010)
  • 著者名/発表者名: Yamamoto Y, Araki S, Dobashi k, Gotoh M, Kusuhara K
  • 学会等名: Neuroscience 2010, the Society's 40th annual meeting.
  • 発表場所: San Diego, F35USA (San diego Convention center)
  • 年月日: 2010-11-15
• [学会発表] 新しい骨質マーカーとしての低分子カルボキシル化オステオカルシンの重症心身障害児(者)における検討 (2010)
  • 著者名/発表者名: 石井雅宏、山本幸代、後藤元秀、荒木俊介、久保和泰、川越倫子、河田泰定、下野昌幸、楠原浩一
  • 学会等名: 九州医師会医学会総会
  • 発表場所: 鹿児島(城山観光ホテル)
  • 年月日: 2010-11-13
• [学会発表] 高TG血症による急性膵炎を発症した二例 (2010)
  • 著者名/発表者名: 後藤元秀,山本幸代,斎藤玲子,荒木俊介、久保和泰、川越倫子、楠原浩一、土橋一重、神代万壽美、有馬透
  • 学会等名: 第37回日本小児栄養消化器肝臓学術総会
  • 発表場所: 高松(かがわ国際会議場)
  • 年月日: 2010-10-09
• [学会発表] 甲状腺受容体βにヘテロ接合型遺伝子変異を認めたTSH不適切分泌症候群(SITSH)の7歳女児例 (2010)
  • 著者名/発表者名: 後藤元秀、河田泰定、山本幸代、石井雅宏、荒木俊介、川越倫子、久保和泰、楠原浩一、鳴海覚志、長谷川奉延
  • 学会等名: 第83回日本小児内分泌学会
  • 発表場所: 大阪(大阪市中央公会堂)
  • 年月日: 2010-10-07
• [学会発表] 腹腔鏡にて性腺摘出術を行ったX/XY混合性性腺異形成症の2例 (2010)
  • 著者名/発表者名: 河田泰定、荒木俊介、久保和泰、川越倫子、山本幸代、楠原浩一
  • 学会等名: 第83回日本小児内分泌学会
  • 発表場所: 大阪(大阪市中央公会堂)
  • 年月日: 2010-10-07
• [学会発表] 重症心身障害児(者)における新しい骨質マーカーとしての低分子カルボキシル化オステオカルシンの検討 (2010)
  • 著者名/発表者名: 石井雅宏、山本幸代、後藤元秀、荒木俊介、久保和泰、川越倫子、河田泰定、下野昌幸、楠原浩一
  • 学会等名: 第83回日本小児内分泌学会
  • 発表場所: 大阪(大阪市中央公会堂)
  • 年月日: 2010-10-07
• [学会発表] 早発乳房精査を契機に発見された甲状腺ホルモン不応症の一例 (2010)
  • 著者名/発表者名: 河田泰定、荒木俊介、久保和泰、川越倫子、山本幸代、楠原浩一、鳴海覚志、長谷川奉延
  • 学会等名: 第10回日本内分泌学会九州地方会
  • 発表場所: 鹿児島(鹿児島大学鶴陵会舘)
  • 年月日: 2010-08-27
• [学会発表] 肥満小児における血中脳由来神経栄養因子の血中レベルとアディポサイトカインとの関連性 (2010)
  • 著者名/発表者名: 後藤元秀、土橋一重、荒木俊介、久保和泰、川越倫、河田泰定、山本幸代、朝山光太郎、楠原浩一
  • 学会等名: 第113回日本小児科学会学術総会
  • 発表場所: 盛岡(盛岡市民文化ホール)
  • 年月日: 2010-04-23
• [学会発表] 当科内分泌外来での幼児肥満における肥満症とメタボリックシンドローム(MS)の頻度と特徴 (2010)
  • 著者名/発表者名: 斉藤玲子、山本幸代、後藤元秀、荒木俊介、久保和泰、川越倫子、楠原浩一
  • 学会等名: 日本小児科学会福岡地方会
  • 発表場所: 福岡(九州大学百年記念講堂)
  • 年月日: 2010-04-10
• [学会発表] 月経てんかんが疑われた1女児例 (2010)
  • 著者名/発表者名: 後藤元秀、下野昌幸、山本幸代、秋山沙織、宗前玲子、石井雅宏、楠原浩一
  • 学会等名: 日本小児科学会福岡地方会
  • 発表場所: 福岡(九州大学百年記念講堂)
  • 年月日: 2010-04-10
• [学会発表] Longitudanal study of thyroid function in girls with Turner syndrome. (2010)
  • 著者名/発表者名: Kawada K, Araki S, Kawagoe R, Kubo K, Yamamoto Y
  • 学会等名: 14th International Congress of Endocrinology 2010.
  • 発表場所: 京都(京都国際会議場)
  • 年月日: 2010-03-26
• [学会発表] Developmental changes of neuromedin U and galanin-like peptide gene expressions in the rat pituitary : an analysis by in situ hybridization histochemistry. (2010)
  • 著者名/発表者名: Kubo K, Yamamoto Y, Kawagoe R, Gotoh M, So M, Araki S, Kusuhara K
  • 学会等名: 14th International Congress of Endocrinology 2010.
  • 発表場所: 京都(京都国際会議場)
  • 年月日: 2010-03-26
• [学会発表] 長期間の偏食によるヨード欠乏の危険性:ヨード欠乏性甲状腺機能低下症をきたした自閉症の1男児例 (2009)
  • 著者名/発表者名: 後藤元秀、山本幸代、石井雅宏、荒木俊介、川越倫子、楠原浩一
  • 学会等名: 日本小児科学会福岡地方会
  • 発表場所: 福岡(九州大学百年記念講堂)
  • 年月日: 2009-12-12
• [学会発表] 膵炎を繰り返した高TG血症の9歳女児例 (2009)
  • 著者名/発表者名: 後藤元秀、土橋一重、荒木俊介、山本幸代、神代万壽美、有馬透、楠原浩一
  • 学会等名: 日本小児脂質研究会
  • 発表場所: 福岡(福岡ソフトリサーチパーク)
  • 年月日: 2009-12-05
• [学会発表] Postnatal development of neuromedin U and galanin-like peptide gene expressions in the rat pituitary : an analysis by in situ hybridization histochemistry. (2009)
  • 著者名/発表者名: Yamamoto Y., Kubo K., Kawagoe R., Gotoh M., So M., Araki S., Kusuhara K.
  • 学会等名: Neuroscience 2009, the Society's 39th annual meeting.
  • 発表場所: Chicago, USA (Chicago Cinvention Center)
  • 年月日: 2009-10-19
• [学会発表] 極度の偏食によるヨード欠乏性甲状腺機能低下症を発症した自閉症の1例 (2009)
  • 著者名/発表者名: 後藤元秀、山本幸代、石井雅宏、荒木俊介、川越倫子、酒井道夫、土橋一重、楠原浩一
  • 学会等名: 第36回日本小児栄養消化器肝臓学会
  • 発表場所: 札幌(北海道大学学術交流会館)
  • 年月日: 2009-10-10
• [学会発表] 長期臥床状態の重症心身障害児(者)における骨塩量、骨代謝マーカーの検討 (2009)
  • 著者名/発表者名: 石井雅宏、山本幸代、荒木俊介、久保和泰、川越倫子、河田泰定、土橋一重、下野昌幸、楠原浩一
  • 学会等名: 第43回日本小児内分泌学会
  • 発表場所: 宇都宮(栃木県総合文化センター)
  • 年月日: 2009-10-03
• [学会発表] 慢性特発性血小板減少性紫斑病を合併した21水酸化酵素欠損症の一例 (2009)
  • 著者名/発表者名: 河田泰定、荒木俊介、久保和泰、川越倫子、山本幸代、土橋一重、酒井道生、白幡聡、楠原浩一、野田正紀
  • 学会等名: 第43回日本小児内分泌学会
  • 発表場所: 宇都宮(栃木県総合文化センター)
  • 年月日: 2009-10-03
• [学会発表] 肥満小児における脳由来神経栄養因子(BDNF)の血中レベルとアディポサイトカインレベルとの関連性 (2009)
  • 著者名/発表者名: 荒木俊介、山本幸代、後藤元秀、久保和泰、川越倫子、河田泰定、土橋一重、楠原浩一、朝山光太郎
  • 学会等名: 第43回日本小児内分泌学会
  • 発表場所: 宇都宮(栃木県総合文化センター)
  • 年月日: 2009-10-02
• [学会発表] ラット視床下部におけるNesfatin-1遺伝子発現動態の検討-生後発達過程での発現部位特異的な生理的変動- (2009)
  • 著者名/発表者名: 久保和泰、山本幸代、川越倫子、後藤元秀、荒木俊介、土橋一重、楠原浩一
  • 学会等名: 第43回日本小児内分泌学会
  • 発表場所: 宇都宮(栃木県総合文化センター)
  • 年月日: 2009-10-02
• [学会発表] ラット視床下部Nesfatin-1遺伝子発現動態の検討-生後発達に伴う発現部位特異的な生理的変動- (2009)
  • 著者名/発表者名: 川越倫子、山本幸代、久保和泰、荒木俊介、宗まりこ、土橋一重、楠原浩一
  • 学会等名: 第9回内分泌学会九州地方会
  • 発表場所: 北九州(産業医科大学ラマツィーニ会館)
  • 年月日: 2009-08-29
• [学会発表] 長期臥床状態の重症心身障害児(者)における骨塩量、骨代謝マーカーの検討 (2009)
  • 著者名/発表者名: 荒木俊介、森下高弘、神代万壽美、森貞直哉、野津寛大、山本幸代、楠原浩一
  • 学会等名: 第43回日本小児内分泌学会
  • 発表場所: 北九州(産業医科大学ラマツィーニ会館)
  • 年月日: 2009-08-29
• [学会発表] 尿糖陽性で発見された幼児糖尿病の一例 (2009)
  • 著者名/発表者名: 河田泰定、荒木俊介、久保和泰、川越倫子、山本幸代、土橋一重、楠原浩一
  • 学会等名: 第9回内分泌学会九州地方会
  • 発表場所: 北九州(産業医科大学ラマツィーニ会館)
  • 年月日: 2009-08-29
• [学会発表] 新生児マススクリーニングで発見されなかったPAX-8遺伝子異常による甲状腺機能低下症の1家系 (2009)
  • 著者名/発表者名: 山本幸代、荒木俊介、久保和泰、川越倫子、河田泰定、土橋一重、白幡聡鳴海覚志、長谷川奉延
  • 学会等名: 第82回日本内分泌学会
  • 発表場所: 群馬(群馬県民会館)
  • 年月日: 2009-04-23
• [学会発表] 生後発達に伴うラット視床下部Nesfatin-1遺伝子発現動態の検討-発現部位特異的な生理的変動- (2009)
  • 著者名/発表者名: 川越倫子、山本幸代、久保和泰、宗まりこ、土橋一重、白幡聡
  • 学会等名: 第82回日本内分泌学会
  • 発表場所: 群馬(群馬県民会館)
  • 年月日: 2009-04-23
• [学会発表] 長期臥床重症心身障害児における骨代謝マーカーおよび骨塩量の検討 (2009)
  • 著者名/発表者名: 石井雅宏、山本幸代、斉藤玲子、千手絢子、荒木俊介、久保和泰、川越倫子、河田泰定、下野昌幸、土橋一重
  • 学会等名: 九州小児内分泌談話会
  • 発表場所: 福岡(三鷹ホール)
  • 年月日: 2009-02-07
• [学会発表] Region-specific changes the Nesfatin-1 gene expressions in rat hypothalamus during postnatal development Neuroscience 2008 (2008)
  • 著者名/発表者名: Yamamoto Y,, Kawagoe R,, So M., Kubo K., Dobashi K., Shirahata A.
  • 学会等名: the Society's 38th annual meeting
  • 発表場所: DC,USA (DC Convention Center)
  • 年月日: 2008-11-19
• [学会発表] 母乳栄養からの完全離乳後に自然軽快した高コレステロール血症の1例 (2008)
  • 著者名/発表者名: 久保和泰、山本幸代、川越倫子、荒木俊介、土橋一重、白幡聡
  • 学会等名: 第35回日本小児栄養消化器肝臓学会
  • 発表場所: 東京(アキバホール)
  • 年月日: 2008-10-25
• [学会発表] 胎児期からの高脂肪食負荷はラット視床下部でのgalanin-like peptide遺伝子発現の出生後発達に伴う生理的変動に影響を与える (2008)
  • 著者名/発表者名: 山本幸代、川越倫子、宗まりこ、久保和泰、荒木俊介、土橋一重、白幡聡
  • 学会等名: 第29回日本肥満学会
  • 発表場所: 大分(iichiko総合文化センター)
  • 年月日: 2008-10-17
• [学会発表] 低血糖を契機に下垂体低形成による下垂体前葉機能不全が診断された18p-症候群の1例 (2008)
  • 著者名/発表者名: 重松玲子、山本幸代、久保和泰、川越倫子、土橋一重、下野昌幸、白幡聡
  • 学会等名: 第42回日本小児内分泌学会
  • 発表場所: 米子(米子コンベンションセンター)
  • 年月日: 2008-10-03
• [学会発表] マススクリーニングで発見されなかったPAX-8遺伝子異常による甲状腺機能低下症の1家系 (2008)
  • 著者名/発表者名: 荒木俊介、山本幸代、久保和泰、川越倫子、河田泰定、土橋一重、白幡聡
  • 学会等名: 第8回日本内分泌学会九州地方会
  • 発表場所: 長崎(長崎大学良順会館)
  • 年月日: 2008-08-30
• [学会発表] 長期間経腸栄養のみで管理されている重症心身障害児7名の甲状腺機能および血中微量元素濃度の検討:ヨード欠乏性甲状腺機能低下症、セレン欠乏の危険性 (2008)
  • 著者名/発表者名: 後藤元秀、山本幸代、重松玲子、土橋一重、下野昌幸、白幡聡
  • 学会等名: 第19回微量元素学会
  • 発表場所: 東京(東京・学士会館)
  • 年月日: 2008-07-04
• [学会発表] ラット視床下部でのガラニン様ペプチド遺伝子の発現動態-生後発達および生後早期からの高脂肪負荷が与える影響 (2008)
  • 著者名/発表者名: 山本幸代、川越倫子、荒木俊介、久保和泰、土橋一重、白幡聡
  • 学会等名: 第81回日本内分泌学会学術総会
  • 発表場所: 青森(青森市文化会館)
  • 年月日: 2008-05-17
• [図書] 小児内分泌疾患鑑別診断チャート (2009)
  • 著者名/発表者名: 山本幸代、朝山光太郎
  • 総ページ数: 134-137
  • 出版者: 診断と治療社
• [図書] よくわかる子どもの肥満 (2008)
  • 著者名/発表者名: 山本幸代、朝山光太郎
  • 総ページ数: 100-105
  • 出版者: 永井書店