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2010 年度 実績報告書

シナプス機能分子Shank3に起因した広汎性発達障害の神経病態の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20591239
研究機関独立行政法人国立精神・神経医療研究センター

研究代表者

内野 茂夫  独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所・代謝研究部, 室長 (30392434)

研究分担者 伊藤 雅之  独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所・疾病研究第二部, 室長 (50243407)
キーワード自閉症 / 精神遅滞 / 22q13.3欠失症候群 / SHANK3 / 言語障害 / シナプス / 広汎性発達障害 / エピジェネティクス
研究概要

本研究の目的は、自閉症の神経病態を神経細胞の発達・シナプス形成異常と捉え、シナプス機能分子をコードするSHANK3遺伝子に着目し、その異常を分子レベルで解析することにより小児自閉症の神経病態を解明することにある。これまでに、我々が自閉症・精神遅滞患者のゲノム解析により見いだした複数のSHANK3遺伝子変異がDNAメチル化に関与するCpG island内に存在することから、脳発達過程のマウス大脳皮質におけるDNAメチル化の変動ならびにメチル化に関わる分子を検討した。ヒトと同様にマウスSHANK3遺伝子には少なくとも5つのCpG island(CpG-P,CpG-2~-5)が存在することが報告されている。
我々は、発達過程(胎生17日~3ヶ月齢)のマウス大脳皮質において、5つのCpG islandにおけるメチル化の有無について検討した結果、全ての段階でプロモーター領域(CpG-P)は非メチル化、CpG-3はメチル化であることが判明した。一方、CpG-2,-4,-5においては、胎仔期では非メチル化であったが発達とともにメチル化されるようになることが判明した。特に、これまでに我々が見いだした複数の変異が存在するCpG-2においては、女児特有の発達障害であるRett症候群の責任遺伝子MeCP2の遺伝子産物が結合することを見いだした。さらに、この領域から複数のSHANK3バリアントが発現していることが判明した。以上、SHANK3遺伝子のメチル化の分子基盤の解明は、Shank3の高次脳機能に果たす役割を解明するのみならず、精神遅滞・自閉症等発達障害の神経病態・病因を理解する上で重要な知見が得られると考えられる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Inhibition of N-methyl-D-aspartate receptor activity resulted in aberrant neuronal migration caused by delayed morphological development in the mouse neocortex.2010

    • 著者名/発表者名
      内野茂夫, 他
    • 雑誌名

      Neuroscience

      巻: 169 ページ: 609-618

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Appearance of phagocytic microglia adjacent to motoneurons in spinal cord tissue from a presymptomatic transgenic rat model of amyotrophic lateral sclerosis.2010

    • 著者名/発表者名
      佐柳友規, 他
    • 雑誌名

      Journal of Neuroscience Research

      巻: 88 ページ: 2736-2746

    • 査読あり
  • [学会発表] 自閉症関連遺伝子SHANK3のマウス脳発達過程におけるメチル化動態解析およびその分子基盤に関する研究2010

    • 著者名/発表者名
      和賀央子, 他
    • 学会等名
      第40回日本神経精神薬理学会・第20回臨床精神神経薬理学会
    • 発表場所
      仙台国際センター
    • 年月日
      2010-09-16
  • [学会発表] マウス脳発達過程における自閉症関連遺伝子SHANK3のメチル化動態解析2010

    • 著者名/発表者名
      和賀央子, 他
    • 学会等名
      第33回日本神経科学会・第53回日本神経化学会・第20回日本神経回路学会
    • 発表場所
      神戸コンベンションセンター
    • 年月日
      2010-09-02
  • [備考]

    • URL

      http://www.nenp.go.jp/nin/guide/r_tai/index.html

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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