国内の研究協力施設からの先天性好中球減少症と診断されたG-CSF受容体切断型遺伝子異常解析はこれまで2G例について行い現在も引き続き症例のリクルートを進めている。これまでの症例の現在の臨床状況と現時点で新たなG-CSF受容体遺伝子異常が出現していないかを合わせ解析していくと共に新たな症例のリクルートを進めたい。現時点でいくつかの変異が出現、消失する例があることがわかった。同例では必ずしも臨床的に悪性化を来してはおらず、興味深い知見である。 受容体刺激伝達系に密接な関連があるSHP2、Gab1、Gab2、Grb2、SOCS3、STAT3、STAT5、NRAS、KRAS2のmRNAの遺伝子配列決定は、プライマー条件設定が困難なものの、解析しうる症例について解析を始めている。 また、先天性好中球減少症の-亜型であるShwachman-Diamond症候群(SDS)におけるSBDS遺伝子の異常について全く同一のSBDS遺伝子異常をヘテロ接合体として持っている患者さんにおいても、臨床的なSDSとしての表現型が様々であることを明らかにした。この、SDSにおけるG-CSF受容体の変異の意義、その他にも病態として好中球減少を来す疾患における、G-CSF受容体の変異の意義についても解析材料の得られる症例について解析を始めている。
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