研究課題
伴性劣性無ガンマグロブリン血症(XLA)はB細胞分化に必須のBTKタンパクの異常により、成熟B細胞が欠損することから、無ガンマグロブリン血症、易感染を示す。成人XLA患者において、難治性の胸膜炎とそれに伴う高エンドトキシン血症呈した患者の病態につき解析すると共に、XLAがエンドトキシンに対して低感受性である機構を解析した。頻回に発熱、CRP上昇と、持続的な高エンドトキシン血症を認めた症例を対象とした。本症例では、通常の培養では結核菌も含めて検出することができなかったため、胸膜病変を外科的に摘出し、病理像とBroard-range PCRを行った。今までヒトでの感染の報告がなかったHelicobacter equorumの遺伝子を検出し、さらに、in situ hybridizationにより、胸膜病変に陽性のシグナルを検出した。組織像は器質化肺炎の像を示したが、Helicobacter equorumの持続感染による器質化肺炎の可能性が考えられた。本症例では持続的に高エンドトキシン血症が認められたが、エンドトキシンショツクは認められなかった。BTKタンパクはTLRsの下流に存在するMalなどのリン酸化を介して、TLRsのシグナル伝達に関与していると考えられる。本症例では、BTKの異常によりTLRsのシグナル伝達が障害され、TNF-αなどの炎症性サイトカインの産生低下により、エンドトキシンに低感受性である可能性が考えられた。
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