研究概要 |
抗癌剤による細胞死は、近年アポトーシス以外の細胞死が注目されている。抗癌剤(doxorubicin)投与後の心筋症マウスモデルにおいて、G-CSFをdoxorubicin投与直後から投与すると、心筋の細胞死が抑制され、特にミトコンドリア機能障害(膜電位低下、呼吸鎖complex IV酸素消費能低下)が軽減されることを報告した。(Am J Physiol Heart Circ Physiol 296:H823-H832, 2009)心筋の細胞死はtunnel色陰性であり、アポトーシス以外の細胞死と考えれ、G-CSF投与により、in vitro, in vivo共にdoxorubicin投与による細胞死が抑制された。また、抗酸化剤であるEUK8もマウス心筋症を改善した。(Circ J 73:2125-2134, 2009)緑茶に含まれるカテキンが、慢性骨髄性白血病細胞株にカスパーゼ非依存性アポトーシスを誘導することを報告した。(Cancer Sci 100:349-356. 2009)小児急性骨髄性白血病(AML)患者検体の解析で、t(8;21)症例のうち、c-kit変異があっても、AML-ETO9aを有する症例の予後は、c-kit変異のない症例の予後と有意差がないことを見出した(未発表データ)。CPT11投与により、マウス骨肉腫転移が抑制され、in vitroの系において、invasionが抑制されることを見出した。
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