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2008 年度 実績報告書

キメラ遺伝子産物の多様性の白血病病態への影響と治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 20591257
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

滝 智彦  京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (50322053)

キーワード遺伝子 / 癌 / 白血病 / 染色体転座 / キメラ遺伝子
研究概要

白血病症例から新規のキメラ遺伝子産物を同定した。t (8;19) (p11; p13)を有する急性骨髄性白血病症例からMOZの新たな転座相手としてLEUTX遺伝子を同定した。LEUTX遺伝子は2つのエクソンからなる遺伝子構造をしており、ホメオボックス遺伝子の一つと考えられている。これまでMOZの転座相手として同定された遺伝子は4種類(CBP, p300, TIF2, NCOA3)あるが、これらはすべてヒストンアセチル化酵素活性を持つ淡泊をコードしており、いずれも共通の機能に関与すると思われる共通の構造をとる。LEUTX遺伝子がコードすると思われる蛋白にはこれらと共通の構造は全く存在せず、全く異なる種類のものと考えられる。一方では、LEUTX遺伝子は偽遺伝子の可能性もあり、現時点ではどのような遺伝子であるかはっきりしない。もし、本当に偽遺伝子であった場合、このような塩基配列がMOZのような白血病関連遺伝子と融合することにより白血病化に関与することになるというのは大変興味深く、白血病化のメカニズムについての新しい重要な知見になると思われる。MOZ関連白血病は単球系の白血病でみられるなど、いずれも共通の臨床的特徴を持つ。今回MOZ-LEUTXを同定した症例の白血病も、他のMOZ関連白血病と同様の特徴を持つことから、やはりこれまで同定されたMOZ関連遺伝子と何らかの共通の白血病化のメカニズムが存在するのではないかと予想される。現在、MOZ-LEUTXタンパクがこれまで同定されたMOZ関連タンパクと同様のヒストンアセチル化酵素活性を有するかどうかについて検討を行っている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Identification of the novel AML1 fusion partner gene, LAF4, a fusion partner of MLL, in childhood T-cell acute lymphoblastic leukemia with t(2 ; 21)(q11 ; q22)by bubble PCR method for cDNA.2008

    • 著者名/発表者名
      Chinen Y
    • 雑誌名

      Oncogene 27

      ページ: 2249-2256

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Down-regulation of TCF8 is involved in the leukemogenesis of adult-T cell leukemia/iymphoma.2008

    • 著者名/発表者名
      Hidaka T
    • 雑誌名

      Blood 112

      ページ: 383-393

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Novel gain-of-function mutation in the extracellular domain of the PDGFRA gene in infant acute lymphoblastic leukemia with t(4 ; 11)(q21 ; q23).2008

    • 著者名/発表者名
      Hiwatari M
    • 雑誌名

      Leukemia 22

      ページ: 2279-2280

    • 査読あり
  • [学会発表] AML97登録症例における染色体異常と臨床像2008

    • 著者名/発表者名
      滝 智彦
    • 学会等名
      第70回日本血液学会総会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2008-10-10
  • [図書] 造血器腫瘍アトラス2009

    • 著者名/発表者名
      滝 智彦
    • 総ページ数
      79-85
    • 出版者
      日本医事新報社

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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