研究課題
基盤研究(C)
(1)臨床症状の解析・諸外国との比較先天性骨髄不全症候群(CBMFS)の頻度や臨床症状、遺伝子変異は民族により特徴が見られ、日本人におけるデータの集積が重要である。本研究ではFanconi貧血(FA)をはじめとしたCBMFSの日本における疫学の基盤を作り、骨髄不全やMDS化の機構を明確にしていくと同時に、造血細胞移植のよりよい前処置法の開発と、二次がん発症の予防の開発を目的とする。(2)細胞表現型DNA架橋剤や造血細胞移植前処置に使用する薬剤のリンパ球染色体脆弱試験を行うことにより、FAの診断の確定と低線量の放射線を使用しない前処置法の提案を試みる。放射線感受性の1つの指標としてブレオマイシン(BLM)感受性試験を加え、BLMに高感度を示す症例を選別し、各疾患の移植前処置の開発を試みる。(3)遺伝子型FAではFANCAをはじめ8個のFA蛋白が核内複合体を形成し、これに依存してモノユビキチン化を受け、活性型となったFANCD2がBRCA1,BRCA2と協同してDNAの相同組換え修復や細胞周期チェックポイントを制御する。FANCD2のモノユビキチン化の解析と各種抗体(FA-A,C,G)を用いてFAの診断と遺伝子型を特定し、臨床症状や骨髄不全の重症度、MDS化との関係について検討を加え、FAが否定された非FA群のCBMFSの遺伝子検索については各研究施設と密に連絡をとり検索を行う。(4)骨髄異形成症候群(MDS)・白血化の予測と移植後二次がん・固形腫瘍発症の実態と予防法の確立MDSの形態異常の前に、染色体のクローナルな異常や胎児ヘモグロビン(HbF)の高値をとること多い。経時的に骨髄染色体の詳細な分析や血液像の詳細な観察を行い白血化の危険因子を解析すると同時に、造血細胞移植後の二次がんや固形腫瘍の発症の危険因子の検討を行う。
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