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2009 年度 実績報告書

網羅的統合ゲノム解析による神経芽腫の病態関連遺伝子の探索

研究課題

研究課題/領域番号 20591269
研究機関千葉県がんセンター(研究所)

研究代表者

大平 美紀  千葉県がんセンター(研究所), がんゲノムセンター・がんゲノム研究室, 室長 (20311384)

キーワード神経芽腫 / マイクロアレイ / 遺伝子 / ゲノム
研究概要

代表的な小児がん、神経芽腫には、しばしば自然退縮を起こす予後良好タイプがある一方で、1歳以降に生じ、非常に予後不良な難治例も存在する(5年生存率:約30%)。本研究では、これまでに行ってきた神経芽腫の網羅的ゲノムコピー数異常解析と遺伝子発現解析のデータを基礎に、エピゲノム解析とマイクロRNA発現解析を組み合わせ、新規神経芽腫関連遺伝子の同定と解析を行う。本年度は以下を進めた。
1)マイクロRNA発現解析
解析サンプルを追加して昨年度得られた候補遺伝子の再現性確認を主に行った。約500種類のマイクロRNAを搭載したmiRNAチップを用いて、合計48症例(予後良好群、予後不良群各24例)の発現プロファイルを行い、両群間で発現レベルに有意に差のあるプローブを抽出した。並行して同症例群に対して神経芽腫由来遺伝子発現チップによる解析を行い、約5000遺伝子についての発現データを取得した。TargetScanデータベースに対する検索により、上記により抽出したマイクロRNAが発現調節すると推測される遺伝子群のうち、実際の発現パターンが一致するものを抽出したところ約50遺伝子が候補として絞り男込まれ、さらに約20の遺伝子が再現性をもって抽出された。そこで今後は絞り込んだマイクロRNAについて定量PCRを進め、予後診断マーカーとして使用可能かどうかの検証を開始する。
2)エピゲノム解析
神経芽腫細胞株12種類について脱メチル化処理前後の各遺伝子の発現レベルが6種類以上の細胞株で異なるものを約100遺伝子選択し、同じ細胞株のゲノムDNAを用いたBisulfate法によるゲノムメチル化の有無の検証を進めた。マイクロアレイを用いた遺伝子発現解析において、予後良好群で有意に高い発現レベルを示す遺伝子を中心に3つの遺伝子に絞り込み、細胞株を用いたBisulfateシーケンシングを行ったところ、うち1つの遺伝子でゲノムメチル化を検出した。今後はさらに同遺伝子についてプライマリー腫瘍におけるゲノムメチル化の有無の確認を行う予定である。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2009 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (5件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Robust model selection for classification of microarrays2009

    • 著者名/発表者名
      Suzuki I, Takenouchi T, Ohira M, Oba S, Ishii S.
    • 雑誌名

      Cancer Informatics 7

      ページ: 141-157

    • 査読あり
  • [雑誌論文] High expression of ncRAN, a novel non-coding RNA mapped to 17q25.1, is associated with poor prognosis in neuroblastoma2009

    • 著者名/発表者名
      Yu M, Ohira M, 他12名, 2番目
    • 雑誌名

      Int.J.Oncol. 34

      ページ: 931-938

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Distinct role of ShcC docking protein in the differentiation of neuroblastoma2009

    • 著者名/発表者名
      Miyake I, Ohira M, Nakagawara A, Sakai R.
    • 雑誌名

      Oncogene 28

      ページ: 662-673

    • 査読あり
  • [学会発表] ゲノム異常パターンに基づく神経芽腫の新規リスク分類の構築-ALK遺伝子異常とゲノムコピー数異常の統合解析2009

    • 著者名/発表者名
      大平美紀, 他10名
    • 学会等名
      第51回日本小児血液学会総会・第25回日本小児がん学会学術集会 合同開催
    • 発表場所
      千葉・舞浜
    • 年月日
      2009-11-27
  • [学会発表] Clinical application of genomic signature including ALK mutation to the new tumor risk classification system for neuroblastoma2009

    • 著者名/発表者名
      大平美紀, 他8名
    • 学会等名
      第68回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2009-10-02
  • [学会発表] 遺伝子発現プロファイルに基づく神経芽腫の予後予測ミニチップシステム2009

    • 著者名/発表者名
      大平美紀, 他
    • 学会等名
      日本人類遺伝学会第54回大会
    • 発表場所
      東京・品川
    • 年月日
      2009-09-26
  • [学会発表] マイクロアレイに基づく神経芽腫のリスク分類システムの構築2009

    • 著者名/発表者名
      大平美紀, 他
    • 学会等名
      第16回日本遺伝子診療学会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      2009-08-01
  • [学会発表] High expression of ncRAN, a long non-coding RNA mapped to 17q25, is associated with aggressiveness and poor prognosis of neuroblastoma2009

    • 著者名/発表者名
      大平美紀, 他10名
    • 学会等名
      米国癌学会総会(AACR)2009
    • 発表場所
      米国・デンバー
    • 年月日
      2009-04-20
  • [備考]

    • URL

      http://www.chiba-cc.jp/inst/jp/index.html

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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