Epstein-Barrウイルス(EBV)研究のモデルを確立するため、B95-8ウイルス株と蛍光タンパクEGFPを発現するEBVがヒトリンパ組織で増殖するか検討した。ヒトリンパ組織は、外科的に摘出された扁桃組織で、小片に切り分けて、培養液に浸したコラーゲンスポンジ上におき、EBV培養液をかけて感染させた。24日間培養すると、2つのウイルスとも、感染後12-15日後に組織培養液に、EBV DNA量の増大が確認された。培養組織から得たリンパ球に8種類のEBV関連遺伝子の発現を確認した。さらに、フローサイトメータにより、感染細胞はCD19陽性のB細胞で、IgD陽性のナイーブタイプおよびCD27陽性メモリータイプともに存在した。EBVの増殖は、アシクロビルにより用量依存性に抑制された。以上から、今回の組織モデルはEBVの病原性の解析および新規薬剤のスクリーニングに有用であると考えられた。
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