研究課題
慢性活動性EBウイルス感染症やEBウイルス関連血球貪食症候群などの小児の難治性感染症に対して新たな治療法の開発が求められており、本研究では動物モデルを用いて新たな発想に基づく難知性ウイルス感染症に対する免疫遺伝子治療の開発を計画した。研究初年度はウイルス特異的ヒト細胞傷害性T細胞(CTL)クローンならびにヘルパーT細胞クローンの樹立とその機能解析を行った。まず、健常人末梢血リンペ球からB細胞を純化し、EBVを感染させて、EBVトランスフォームB細胞株(B-LCL)を作成した。同じドナーから、末梢血単核球を分離し、自己B-LCLで繰り返し刺激し、EBV特異的CD8陽性CTL株ならびにCD4陽性ヘルパーT細胞株を樹立した。このようにして樹立したCTL株は、EBV感染細胞に対してHLAクラス□拘束性に細胞傷害性を示した。また、EBV特異的ヘルパーT細胞は、HLAクラス□拘束性にTh1サイトカインを産生した。今後、これらのEBV特異的T細胞株をクローン化し、T細泡レセプター遺伝子を単離する計画である。他方、EBV特異的CTLに遺伝子導入する目的で、制御性T細胞の免疫抑制性機能を司っていると考えられているFoxP3遺伝子をクローニングした。さらに、FoxP3発現ベクターを、レンチウイルスならびにレトロウイルスベクターを用いて構築した。今後、上記、CTIL株に遺伝子導入して、EBV特異的例御製T細胞を樹立する予定である。
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Leukemia Research 32
ページ: 1523-1529
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