研究概要 |
慢性活動性EBウイルス感染症やEBウイルス関連血球貪食症候群などの小児の難治性感染症に対して新たな治療法の開発が求められている。本研究では、動物モデルを用いて新たな発想に基づく難知性ウイルス感染症に対する免疫遺伝子治療の開発を計画した。これにより難知性ウイルス感染症に対する免疫遺伝子治療開発ヒト化モデル動物を確立する予定である。本研究は、新たな免疫不全マウスにヒト造血幹細胞を移植しヒト免疫系を再構築しようとすること、このヒト免疫系再構築マウスを用いてこれまで不可能であった難治性ウイルス感染に対する新たな治療開発小動物モデルを確立する。TCR遺伝子導入自己造血幹細胞移植によって難知性ウイルス感染症の治療開発を行うというきわめて斬新な研究計画である。 21年度はEBウイルス特異的ヒトCD4,CD8の樹立を行った。健常者から末梢血単核球を分離し、自己から誘導したAuto-LCLを用いてMix lymphcyto reaction(MLR)を行い、リンパ球を増殖させた。さらにMLRからMACS beads法によりCD8陽性分画とCD4陽性分画をそれぞれ分離した。CD8陽性リンパ球とCD4陽性リンパ球に対しAuto-LCLを用いてMLRを行い増殖させ、Auto-LCLに対してCrrelease assayを行った。その結果、EBウイルス特異的ヒトCD4,CD8は自己のLCL株に対し細胞傷害活性を認め、自己のHLAによって提示されたEBウイルス由来の抗原に反応していることが示唆された。
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