新たな動物モデルを用いた難治性ウイルス感染症に対する免疫遺伝子治療の開発

2010 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 20591279
• 研究機関: 愛媛大学
• 研究代表者: 田内 久道 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (30314959)
• 研究分担者: 石井 榮一 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20176126) ; 安川 正貴 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60127917)
• キーワード: EBウイルス / T細胞クローン / 細胞傷害活性 / 難治性感染症

研究概要

健常者から末梢血単核球を分離し、自己から誘導したAuto-LCLを用いてMix lymphcyto reaction (MLR)を行い、リンパ球を増殖させる。Mediumは10%human serum/RPMI pc/sm96well plateで1wellあたり
Stimulater自己由来LCL MMC処理:2.5×10^4個/well
Responder分離した末梢血単核球(PBMC):5.0×10^4個/well
混合し培養する
1週間後もう一度Auto-LCLを用いてMLRを行う。この時に培養液にIL-2を加える。
Mediumは10%human serum/RPMI pc/sm、IL-2:10IU/ml
96well plateで1wellあたりStimulater自己由来LCL MMC処理:5.0×10^5個/well
Responder MLRを受けたPBMC:5.0×10^5個/well混合し培養する
2回目のMLRから5日後にMACS beads法によりCD8陽性分画とCD4陽性分画をそれぞれ分離する。CD8陽性リンパ球とCD4陽性リンパ球に対しAuto-LCLを用いてMLRを行い増殖させAuto-LCLに対してCr release assayを行った。
その結果、CD4陽性T細胞、CD8陽性T細胞共に自己のLCL株に対し細胞傷害活性を認め,自己のHLAによって提示されたEBウイルス由来の抗原に反応していることが示唆された。これらの樹立されたEBウイルス蛋白特異的T細胞クローンからTCR遺伝子を単離、この遺伝子を発現するレンチウイルスベクターが作成されれば、患者末梢血よりウイルス特異的なT細胞を大量に誘導することができ、慢性活動性EBウイルス感染症やEBウイルス関連血球貪食症候群などの小児の細胞傷害活性に対して新たな治療法となる。

研究成果

• [雑誌論文] Subtypes of familial hemophagocytic lymphohistiocytosis in Japan based on genetic and functional analyses of cytotoxic T lymphocytes. (2010)
  • 著者名/発表者名: Nagai K, Yamamoto K, Fujiwara H, An J, Ochi T, Suemori K, Yasumi T, Tauchi H, Koh K, Sato M, Morimoto A, Heike T, Ishii E, Yasukawa M.
  • 雑誌名: PLoS ONE 巻: 30
  • 査読あり
• [雑誌論文] Outcome of pediatric patients with Langerhans cell histiocytosis treated with 2 chlorodeoxyadenosine : a nationwide survey in Japan. (2010)
  • 著者名/発表者名: Imamura T, Sato T, Shiota Y, Kanegane H, Kudo K, Nakagawa S, Nakadate H, Tauchi H, Kamizono J, Morimoto A.
  • 雑誌名: Int J Hematol. 巻: 91 ページ: 646-651
  • 査読あり
• [雑誌論文] Human herpesvirus 6 infection impairs Toll-like receptor signaling. (2010)
  • 著者名/発表者名: Murakami Y, Tanimoto K, Fujiwara H, An J, Suemori K, Ochi T, Hasegawa H, Yasukawa M.
  • 雑誌名: Virol J 巻: 91
  • 査読あり
• [学会発表] 臨床実習証を用いた医学部学生に対する感染制御教育とその成果 (2010)
  • 著者名/発表者名: 田内久道、中野夏代、長谷川均、高田清式、村上雄一、安川正貴
  • 学会等名: 第80回日本感染症学会西日本地方会
  • 発表場所: 松山市
  • 年月日: 2010-11-20
• [図書] これから出会う物語 (2010)
  • 著者名/発表者名: 田内久道
  • 総ページ数: 180-184
  • 出版者: 中山書店