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2008 年度 実績報告書

好中球を介した志賀毒素輸送機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20591293
研究機関国立成育医療センター(研究所)

研究代表者

綱脇 祥子  国立成育医療センター(研究所), 母児感染研究部, 室長 (00211384)

研究分担者 守屋 美恵  国立成育医療センター(研究所), 母児感染研究部, ヒューマンサイエンス振興財団流動研究員 (60470001)
塩田 清二  昭和大学, 医学部, 教授 (80102375)
キーワード好中球 / 志賀毒素 / スフィンゴ糖脂質 / 細菌 / 溶血尿毒症
研究概要

腸管出血性大腸菌(EHEC)は、小児の出血性大腸炎に於ける主要病原菌であり、溶血性尿毒症(HUS)や脳症を引き起こす。EHECは外毒素である2種類の志賀毒素(Stx1およびStx2)を産生し、Stxsは体循環を経て標的組織に傷害を引き起こす。腎糸球体血管内皮細胞や尿細管上皮細胞は、Stxsに強い親和性を示すスフィンゴ糖脂質Gb3を高発現しているため感受性が高く、標的細胞になる。標的細胞のGb3に結合したStxsは、逆行性輸送によってリボソームRNAに到達してこれを切断し、組織傷害を引き起こす。しかし、標的細胞に於けるStxsの阻害機序に比べ、腸管から標的組織へのStxsの輸送機構は解明されていない。HUS患者の血漿中に遊離型Stxsが検出されないことから、Stxsの運搬を担う血球ないし血液成分の可能性が指摘されている。
Alexer Fluor 488で蛍光ラベルしたStx1およびStx2を末梢血とインキュベートした後FACSで解析したところ、共に顆粒球(殆ど好中球)にのみ結合し、リンパ球、単球、赤血球には結合しなかった。好中球にGb3は発現しておらず新規レセプターの可能性が考えられる。そこで、好中球のStxsレセプターを同定する目的で好中球から中性糖脂質を抽出し、薄層クロマトグラフィーで展開した。次に、PVDF膜に転写した後Stxsと反応させ、抗Stxs抗体を用いてレセプターを検出した。その結果、Gb3と異なる位置にバンドが確認された。他にStxsと反応するバンドは無く、Stx1およびStx2の結合活性に違いは認められなかった。腎糸球体に多くの好中球が浸潤している事実を考えると、好中球が標的組織へのStxs運搬を担う可能性は大きいと推察できる。今後、質量分析法を用いてこのバンドを解析する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文]2009

    • 著者名/発表者名
      綱脇祥子
    • 雑誌名

      臨床検査ガイド(2009〜2010)(文光堂)

      ページ: 593-598

  • [雑誌論文] Expression of NADPH oxidases and enhanced H_2O_2-generating activity in human coronary artery endothelial cells upon induction with tumor necrosis factor-α2008

    • 著者名/発表者名
      Lucia S. Yoshida
    • 雑誌名

      International Immunopharmacology 8

      ページ: 1377-1385

    • 査読あり
  • [備考]

    • URL

      http://www.ncchd.go.jp/

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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