研究課題/領域番号 |
20591294
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研究機関 | 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立母子保健総合医療センター(研究所) |
研究代表者 |
近藤 宏樹 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立母子保健総合医療センター(研究所), 環境影響部門, 主任研究員 (10373515)
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研究分担者 |
道上 敏美 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立母子保健総合医療センター(研究所), 環境影響部門, 部長 (00301804)
虫明 聡太郎 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90291947)
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キーワード | 肝細胞 / アミノ酸トランスポーター / 肝発生・分化 / HNF4α / 栄養学 |
研究概要 |
申請者はまず、紙谷らの方法を用いた初代肝芽細胞培養系(Kamiya A et al.Hepatology 2002;35:1351-1359)を確立し、肝細胞分化マーカーにおけるmRNA発現量の変化を定量PCRにて検討した。すると肝細胞分化後期マーカーであるTATやTO mRNA発現上昇とともにSNAT4 mRNAの発現上昇を確認できた。抗SNAT4抗体を用いて、胎仔から成体におけるSNAT4蛋白の発現を肝臓の免疫組織化学にて検討した。SNAT4蛋白は胎齢14.5日から門脈周囲に確認でき、成体肝では、ほとんどの肝細胞がSNAT4陽性であった。次にSNAT4のHnf4αによる発現制御を調べるため、新生仔肝を用いて転写開始点の同定を行った。その結果、従来報告された第1エクソンの他に2種類の選択的第1エクソンを新たにイントロン1中に見出した。第2エクソン以下は共通であった。Hnf4α結合配列をコンピューター上で検索し、ゲルシフトアッセイにてHnf4αの結合を確認した結果、少なくとも8ヵ所の結合配列を同定出来た。この結果は、SNAT4がHnf4αにより強く制御される分子であることを示唆している。次に初代肝芽細胞培養系にSNAT共通の阻害剤MeAIBを添加して、同様に分化マーカーの発現変化を定量PCRで検討した結果、後期マーカーであるTATやTOの発現上昇が鈍化した。この結果から、SNATファミリー分子が肝細胞分化に一定の役割を果たしていることが示唆された。
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