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2009 年度 実績報告書

胎児グルココルチコイド暴露が胎児発育と新生児期に及ぼす影響に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20591295
研究機関旭川医科大学

研究代表者

長屋 建  旭川医科大学, 医学部, 助教 (80396382)

研究分担者 蒔田 芳男  旭川医科大学, 医学部, 教授 (20271778)
林 時仲  旭川医科大学, 医学部, 講師 (40322911)
藤枝 憲二  旭川医科大学, 医学部, 教授 (60173407)
キーワードグルコルチコイド / 副腎機能 / 胎児 / 新生児 / 11β-hydroxysteroid dehydrogenase type2
研究概要

胎児期におけるグルココルチコイド暴露は胎児発育が抑制され、さらには胎児の視床下部-下垂体-副腎系(hypothalamic-pituitary-adrenal : HPA axis)の機能低下をもたらし生後の新生児疾患に関係すると報告されている。胎盤における11β-hydroxysteroid dehydrogenase type2(11βHSD2)はコルチゾールを不活型のコルチゾンに変換する酵素で、胎盤において母由来のグルココルチコイド暴露から胎児を守る役割を持つ。本年度は2005年12月から2008年12月までに旭川医科大学と旭川厚生病院に入院した在胎期間36週未満のAGAの早産児のうち、生後早期から尿検体を採取できた61名を対象に、生後0-2日、1週、2週、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月の尿を用いてLC/MS-MSを用いて尿中ステロイド(コルチゾール代謝物:THF、alloTHF、コルチゾン代謝物:THE、胎児層由来ステロイド:DHEA)を測定した。生後0-2日の(THF+alloTHF)/THEを胎盤11βHSD2活性の指標とし、33%タイルで3群(活性の高いH群19名、活性の低いL群21名、中間のM群21名)に分け尿中ステロイドの経過と新生児疾患の有無を比較検討した。3群間で在胎期間、出生体重に差を認めなかった。(THF+alloTHF)/THEは生後1週以降は3群間で差を認めなかった。生後1週のDHEAがH群でL群より有意に高値だった。H群、M群、L群においてPDAに対するインドメタシン投与回数はそれぞれ1.2±1.1、1.7±1.1、5.5±1.1回、人工換気日数は12.3±6.9、14.4±17.5、33.1±45.6日と有意にL群で多かった。ROPの治療、低血圧に対するカテコラミンとステロイド使用もL群で多い傾向を認めた。L群においては胎児副腎の母体胎盤依存性が残存し、副腎成熟が不十分なため重症度を高めていることが考えられた。
次年度は、さらに症例数を増やして検討を続けると同時に、我々が保存している正常新生児の臍帯血と臨床データをから、11βHSD2の活性の評価と臍帯血から得られたDNAを用いてHSD11B2遺伝子のSNP解析を行う予定でいる。すでに11βHSD2の活性と出生体重には負の相関があることが知られているが、その追試とともにその後の発育変化の関係を見る予定でいる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 胎児・新生児期の副腎機能2009

    • 著者名/発表者名
      長屋建、藤枝憲二
    • 雑誌名

      日本未熟児新生児学会誌 21

      ページ: 33-38

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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