研究概要 |
ヒト神経管閉鎖障害(NTDs)は女児に多い。我々の系統維持しているPdnマウス(責任遺伝子はGli3)のホモ型では、約16%の確率でNTDsが発症し、雌のみである。ここに、カビ毒であるオクラトキシンAを曝露すると、雄に偏ってNTDsが発症した。このことから、胎生7.5日にオクラトキシンAを曝露し、9日に胚仔を摘出し、その遺伝子発現の変化を調べた。オクラトキシンA曝露によって、Daam,Hoxbl,Tbx,Hmx3,Dlxl,Tlxh遺伝子の発現が大幅に増加し、Fgf8,Emx2では異所性の発現を示した。これらの遺伝子発現の変動とGli3発現抑制の総合作用によって、オクラトキシンAによるNTDsが雄に発症したものと考えた。
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