研究課題
新生児の慢性肺疾患のひとつである気管支異形成症(BPD)は極低出生体重児の生命予後のみならず、後の成長発達・QOLにも深くかかわる疾患である。しかしBPDの重症化を予測する客観的な乎指標は乏しく、加えて極低出生体重児の呼吸・循環幾能予後についてのくわしい臨床報告は少ない。BPDの予後に関する情報を蓄積して詳細な検討を行い今後の治療の指標とすることは大変重要と思われる。本研究の目的は、(1)晩期障害の頻度と治療との関連を明らかにする、(2)BPDの重症度と相関する因子を検討する、ことにある。初年度は。愛媛大学小児科および関連病院で過去10年間に入院治療を受けた極低出生体重児症例のうち、呼吸障害の既往のある極低出生体重児、呼吸障害の既往のない極低出生体重児を非極低出生体重児をコントロールとして一次アンケート調査を実施した。アンケート項目は、現在の体重と身長・呼吸器感染症とくに下気道感染症やRSウイルス感染既往・アレルキト疾患の既往・慢性的な呼吸器症状の有無と環境・生活上の問題点(就学・遊び・運動など)・家族の受け入れ状況など。後はアンケートの回収を得た症例の入院時記録から、当時の治療と胸部X線所見や好酸球数、好中球数、血小板数、血液ガス、CPKなどの一般的検査結果を入手し、これらの結果と入院期間、人工呼吸器使用期間などの急性期効果およびアンケートから得られる晩期効果との関連を検討する。また3歳以上の症例を対象に呼吸機能検査、循環器検査、身体計測を行う予定である。
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