研究概要 |
1.新生児DICの基礎疾患、診断基準と治療法に関して、日本産婦人科・新生児血液学会会員および新生児医療連絡会会員にアンケート調査した。新生児DICの基礎疾患は、敗血症および仮死が重要な疾患であることが明らかとなった。診断基準は、白幡の新生児DIC診断基準を採用している施設が77%で、河合の診断基準を採用している施設は14%であった。DIC診断には、臨床所見を重視する施設が多く、検査項目ではフィブリノゲン、血小板数、FDP、PTなどが挙げられていた。治療は、基礎疾患の治療に加え、ATに加え蛋白合成阻害薬(FOY,Futhan)ヘパリンの順であった。また、個別解析で、敗血症と新生児仮死では、検査結果が異なることが示された。 2.新生児TAFI (Thrombin activatable fibrinolysis inhibitorについて検討した。新生児のTAFI量は健康成人の1/4〜1/2と低下し、低出生体重児ではさらに低下していた。すでに新生児では血栓溶解性が高いことを示唆する成績を報告しており、その要因としてTAFIの関与が示唆された。 2.新生児血栓症、新生児脳梗塞、新生児動静脈瘤における臨床像ならびに凝固・線溶ならびに抗血栓因子の関与を報告した。
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