臍帯血中のTau蛋白・S-100B・8OHdG・8-isoprostane・MMP-9は、脳室周囲白質軟化症児と対照児との間に有意差を認めなかった。臍帯血リンパ球の全mRNAの発現パターンを脳室周囲白質軟化症児と対照児との間で比較したところ、15遺伝子の発現が脳室周囲白質軟化症児で有意に増加し、そのうち5つはリボゾーム蛋白を、他の1つは翻訳伸長因子をコードしていた。脳室周囲白質軟化症児においてはリンパ球の活性化が起きている可能性が示唆された。胎児発育不全ラットと対照ラットとについて大脳の全RNAの発現パターンを比較したところ、胎児発育不全ラットで発現が低下している遺伝子が73個、亢進している遺伝子が55個同定された。胎児発育不全モデルラットにおける母獣ドコサヘキサエン酸投与の効果では、ドコサヘキサエン酸強化群で通常飼料群に比べて仔の大脳のドコサヘキサエン酸が有意に高値であった。母獣ドコサヘキサエン酸投与により仔の脳のドコサヘキサエン酸増加をもたらすことが示された。
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