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2009 年度 実績報告書

中心体数制御異常を通じたボーエン病の病態形成メカニズムの解析とモデルマウスの作製

研究課題

研究課題/領域番号 20591330
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

久保 亮治  慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70335256)

研究分担者 石井 健  慶應義塾大学, 医学部, 講師 (50296670)
キーワード扁平上皮癌 / Bowen病 / 中心体 / Aurora A kinase
研究概要

中心体は母・娘中心小体と中心体周辺物質から構成されるオルガネラであり、1細胞周期あたり1回のみ複製されるように厳密にコントロールされている。中心体複製のコントロールが外れ、ゲノムDNAの複製周期と中心体の複製周期が乖離すると、多極分裂や細胞質分裂異常が生じ、複製したゲノムを正確に娘細胞に分配することができなくなり、癌細胞の発生または悪性化を招くと考えられている。今回、娘中心小体を特異的に染色する抗体を作成し、ヒトボーエン病臨床検体において、母・娘中心小体を別々に染色することに成功した。結果、ボーエン病組織において中心体複製異常が存在することが明らかとなった。母・娘中心小体がそれぞれほぼ同数増えていたことから、ボーエン病組織における中心体複製異常が細胞質分裂の失敗により起こっていることが示唆された。さらに、これまで臨床検体中の各細胞がどのような細胞周期にあるかを調べる適当な方法は存在しなかったが、今回の母・娘中心子染色法により、1つ1つの細胞が、G1期、S~G2期、G2後期のどの細胞周期にあるかをヒト臨床検体中で区別することを可能とした。本手法はボーエン病のみならず、様々なガン組織に応用可能な方法である。さらに、ボーエン病モデルマウスとして、中心体制御キナーゼであるAurora Aの皮膚特異的欠損マウスを作成した。本欠損マウスでは、基底細胞層に多核の細胞を生じ、その多核細胞では中心体の複製異常が観察され、ボーエン病の組織学的異常を反映したモデルマウスであると考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] External antigen uptake by Langerhans cells with reorganization of epidermal tight junction barriers.2009

    • 著者名/発表者名
      Kubo A, et al.
    • 雑誌名

      J Exp.Med. 206

      ページ: 2937-2946

    • 査読あり
  • [学会発表] Bowen病における中心体制御異常の検討2009

    • 著者名/発表者名
      久保亮治
    • 学会等名
      第108回日本皮膚科学会総会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      20090424-20090426

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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