アトピー性皮膚炎自然発症マウスであるDS-NhマウスとTh1転写因子であるt-bet遺伝子トランスジェニックマウスt-bet(Th1)マウス(移入遺伝子t-betをヘテロに持つ)を交配し、F1マウスを得た。同様にDS-NhマウスとTh2転写因子であるGATA3遺伝子トランスジェニックマウスGATA3(Th2)マウスを交配し、F1マウスを得た。得られたF1マウスのgenotypingを行い、移入遺伝子t-bet/GATA-3がヘテロで組み込まれたF1を選択し、それぞれt-bet(Th1)ADマウス、GATA3(Th2)ADマウスと名付けた。一方、移入遺伝子t-bet/GATA-3が組み込まれなかったリターメイトF1をそれぞれのコントロールとして以降の実験に用いた。t-bet(Th1)ADマウスとGATA3(Th2)ADマウスおよびそれぞれのコントロールマウスの脾細胞・リンパ節細胞をFACS解析し、そのThプロファイルがt-bet(Th1)ADマウスとGATA3(Th2)ADマウスにおいて親マウスと同様にそれぞれTh1、Th2にシフトし、コントロールマウスにおいてシフトが見られないことを確認した。それぞれの組み合わせ(DS-Nh/t-betおよびDS-Nh/GATA3)について、コントロール群とアトピー性皮膚炎発症の時期と重症度を比較しているが、現時点でコントロールを含め、いずれのマウスもアトピー性皮膚炎を発症しておらず、今後も引き続き観察を行っていく予定である。
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