研究概要 |
BALB/cマウス皮膚よりI-A抗原を用いたpanning法によってLCを単離し、新生児皮膚の真皮より採取した線維芽細胞と共培養し、LCの細胞表面の共刺激分子の変化をみた。結果、線維芽細胞のviabilityに結果が左右される事がわかった。そこで、死細胞より放出され、免疫系を活性化するdanger signalの影響もあると思われ、その影響をまず、検討する事とした。死んだ線維芽細胞より放出され、免疫系を活性化するdanger signalの一つに、monosodium urate crystal (MSU)が報告されている(Nature ; 2003 ; 425 : 516-521)。そこで、1)MSUがLCに作用するために必要な分子群をLCが有しているかどうか2)MSUがLC細胞表面分子,液性分子の分泌にどのように影響するか3)MSUのLCの機能修飾の検討4)in vitroの結果のin vivoでの意味付けを検討することとした。これまでに 1)MSUが作用発現に必要な分子群(NALP3 inflammasomeの形成とcaspase 1)をLCが有していることを確認した。 2)MSUがLCの成熟には影響しないが,IL-18分泌を促進することがわかった。 3)MSU処理したLCのリンパ節への遊走が促進されることも確認できた。 4)MSU処理したLCがIL-18依存性にリンパ節へ遊走促進することをIL-18KOマウスから採取したLCではMSU処理して,リンパ節への遊走が促進されないという結果から確認した。 本年度はこれらの結果の臨床的意味づけをするため、接触性皮膚炎モデルにおいて、尿酸を経皮的に投与し,炎症に対してどのような影響を及ぼすかを検討する。
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