皮膚免疫疾患における制御性B細胞の役割を検討した。これまでに報告されている脾臓辺縁帯のCD5陽性CD1d強陽性を特徴とするB細胞以外に、腹腔内に存在するB-1a細胞が、接触過敏反応の抑制性の働きをすることを、CD22欠損マウスなどを用いて明らかにし、新しい制御性B細胞の分画であると考えられた。 また、全身性エリテマトーデスのマウスモデルであるNew Zealand black(NZB)マウスとNew Zealand white(NZW)マウスのF1マウスについて引き続き検討を行い、CD19を欠損したNZB/NZW F1マウスにおいて、制御性B細胞が欠損しているために、症状が増悪し、制御性B細胞を野生型マウスから移入すると症状が改善できることを明らかにした。 また、NZB/NZW F1マウスにおいて抗CD20抗体を用いてB細胞除療法を行うと、生後4-8週の比較的早期に行った場合には、症状が増悪して生存率が低下し、一方で、生後12-20週で行った場合には症状は改善して生存率も上昇した。このように、B細胞の中で疾患を増悪させるサブセットと抑制するサブセットの双方が存在し、これらは病期により比重が異なると考えられた。 ヒト膠原病患者末梢血における制御性B細胞の解析を行い、全身性強皮症では、制御性B細胞の数が減少していることが見出された。
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