我々は生理的なIgE(physiological IgE : p-IgE)には、アレルギー性疾患の悪化因子としてのみでなく、自然免疫を抑制する機能があると仮定し、検討を行った。その結果、雌雄によるp-IgEの差がアレルギー反応のみでなく、自然免疫反応の差にも影響を及ぼしていることを明らかにした。さらに、p-IgEと同等レベルのIgEを足蹠に移入することによりこの反応の再現性を確認し、培養肥満細胞を足蹠に移入する再構築実験においても同様の結果を得た。掻破行動がこれらの反応に及ぼす影響もあわせて検討し、掻破はIgE依存性のアレルギー反応を増強させることを明らかにした。
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