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2008 年度 実績報告書

ヒト毛嚢におけるS100A3の脱イミノ化反応の生理的機能とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 20591358
研究機関近畿大学

研究代表者

川田 暁  近畿大学, 医学部, 教授 (90160986)

研究分担者 高原 英成  茨城大学, 農学部, 教授 (30122063)
キーワードS100A3 / Ca^<2+>結合蛋白質 / ヒト毛嚢キューティクル / 脱イミノ化 / 蛍光分光分析 / 小角散乱 / シトルリン残
研究概要

本研究は酵素的脱イミノ化によるS100A3の機能変換とその生理機能を構造生物学及び分子生理学的手法等を用いて明らかにすることを目的とする。本年度は、S100A3の自己蛍光(励起光長295nm,発光長340nm)を指標とした蛍光分光光学法により、酵素的脱イミノ化S100A3 (R51が脱イミノ化)及び同モデル化変異S100A3(R3A/R22A/R51A/R77A)のCa^<2+>結合能解析並びに4量体化S100A3の可逆性や安定性について解析を行った。その結果、S100A3はR51の特異的脱イミノ化により、そのCa^<2+>結合能が約4倍高まること(Kd=13mMから3.5mMに変化)すること、また安定な4量体化へと移行することが明らかとなった。加えて、脱イミノ化を模倣するために作製したArg残基変異体のうちR51Aもほぼ同様な変化を示すことが判った。このような結果からS100A3は毛嚢において生合成された後、同組織に局在する脱イミノ化酵素によりR51が脱イミノ化を受け陽電荷をなくすことにより、EFハンド領域の構造が変化し、本来のCa^<2+>結合蛋白質として機能すること、またその際4量体への移行が伴うことが明らかとなった。また、高エネルギー加速器研究機構のPF施設を利用し、放射光小角散乱法によるS100A3の脱イミノ化に伴う分子構造変化の解析についても解析した。その結果、S100A3が脱イミノ化されることにより、分子形状が変化して、四量体化へ移行していることが確認できた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Transcriptional Regulation of Peptidylargine Deiminase Expression in Keratinocytes2009

    • 著者名/発表者名
      Ying S
    • 雑誌名

      J. Dermatol. Sci. 53

      ページ: 2-9

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Specific Citrullination Causes Assembly of a Globular SI00A3 Homotetramer : A Putative Ca2+-Modulator Matures Human Hair Cuticle2008

    • 著者名/発表者名
      Kizawa K
    • 雑誌名

      J. Biol. Chem. 283

      ページ: 5004-5013

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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