研究課題
平成20年度に統合失調症患者26人、健常対象者8人から同意を取得し、MRI画像を撮像した。うち遺伝子解析研究参加に同意した対象者は統合失調症12人、健常者7人であった。これまでの当研究室の蓄積対象者と合計すると統合失調症83人、健常者57人となり、うち遺伝子提供者は統合失調症27人、健常者12人となった。これまでに蓄積された統合失調症47人と健常者47人を対象に前頭葉眼窩面の脳溝パターンの差を比較した。男性においてはこれまでの米国での先行研究と同様に統合失調症と健常者で脳溝パターンの分類に統計的な差があることが確認できた。しかし、女性において男性と異なる分類の差を示した。統合失調症の病態において男女差がある可能性が示唆された。結果は第4回日本統合失調症学会で報告した。また、近年話題となっている高齢統合失調症患者の病態に関してMRIを用いた予備的な研究を行った。50歳以上の統合失調症11人、健常者8人、および認知症との比較をする目的でアルツハイマー病患者7人のMRIを自動解析法によって比較した。その結果、アルツハイマー病では海馬傍回を中心とした側頭葉内側面に委縮が認められるのに対し、高齢統合失調症においては上側頭回を中心とした聴覚・言語領域に脳委縮が認められ、委縮のパターンが異なることが示された。概要は第4回日本統合失調症学会のシンポジウムで発表した。
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