研究課題/領域番号 |
20591393
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
鈴木 道雄 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 教授 (40236013)
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研究分担者 |
川崎 康弘 富山大学, 大学病院, 講師 (80242519)
住吉 太幹 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 准教授 (80286062)
中村 主計 富山大学, 大学病院, 助教 (00447658)
倉知 正佳 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 名誉教授 (80019603)
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キーワード | 統合失調症 / 機能的磁気共鳴画像 / ミラーニューロンシステム / 社会脳 / 自己 / 他者 |
研究概要 |
磁気共鳴画像(MRI)により、統合失調症患者における社会的認知ネットワークを含む神経回路の機能的統合の障害を明らかにし、早期補助診断への応用可能性を検討するために、発症早期の統合失調症患者を対象として検討を行った 初回エピソード統合失調症患者31名(男13女性18、21.8±4.9歳)と健常対照者27名(男14女13、23.4±4.1歳)を対象に、1.5TのMRIスキャナによりMRI T1強調画像と拡散テンソル画像(Diffusion Tensor Imaging,DTI)を撮像した。T1強調画像により灰白質体積を、DTIにより白質統合性を、Statistical Parametric Mapping(SPM)を用いて解析した。統計学的有意水準は灰白質の検討ではFWE corrected p<0.05、白質FAの検討ではFDR corrected p<0.05,voxel>100とした。 灰白質の検討については、統合失調症患者群では健常者に比較して、右島回の灰白質体積の減少を認めた。有意水準をFDR corrected p<0.05とすると、さらに左島回、左上前頭回、左内側側頭葉、右下前頭回での灰白質体積減少を認めた。白質FAの検討では、統合失調症患者群で右内包膝、右下縦束、左上縦束のFA低下を認めた。 これらの結果は、早期の統合失調症患者においても神経回路の構造的・機能的異常がすでに認められ、早期診断指標としての応用できる可能性を示唆するものである。
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