研究課題/領域番号 |
20591402
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岩瀬 真生 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (60362711)
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研究分担者 |
石井 良平 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (40372619)
武田 雅俊 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00179649)
橋本 亮太 大阪大学, 連合小児発達学研究科, 特任准教授(常勤) (10370983)
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キーワード | 磁気刺激 / 近赤外分光法 / 遺伝子解析 / 精神生理学 / 非薬物療法 |
研究概要 |
平成22年度は、統合失調症群79名と健常者群130名に対して、5種類の前頭葉機能課題(言語流暢性課題レターバージョン、カテゴリーバージョン、ハノイの塔課題、スタンバーグ課題、ストループ課題)を施行中に近赤外分光法による前頭前野の酸素化ヘモグロビン濃度変化を測定し、統合失調症と健常者の賦活曲線の特性を評価した。その結果、5種類の前頭葉機能課題による賦活曲線の特性は異なっており、言語流暢性課題ではレターバージョン、カテゴリーバージョンともに、課題前半に賦活の中心が現れる賦活曲線となった。一方でハノイの塔課題は課題後半で賦活の中心が現れる曲線となった。スタンバーグ課題では賦活曲線は課題のブロックに同期した波状の賦活曲線となった。ストループ課題では有意な賦活が見られず、平坦に近い賦活曲線となった。これらの賦活曲線特性の違いに注目することで、統合失調症と健常者を近赤外分光法を用いてより高精度に判別できる可能性が示唆された。 また難治性大うつ病性障害患者3名に対し、右前頭前野に1Hz(2名)、左前頭前野に10Hz(1名)の経頭蓋反復磁気刺激を行った。近赤外分光法を用いた同時測定により当該部位で酸素化ヘモグロビン濃度が上昇することが示され、経頭蓋反復磁気刺激による大脳皮質内での血流変化が測定できることを確認したが、1例では刺激に同期したアーチファクトと思われる波形が記録された。これにより、近赤外分光法により磁気刺激治療の効果判定に応用可能であるが、アーチファクトの影響について考慮する必要が示された。
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