研究課題
アルツハイマー病治療または予防薬として非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)が注目されている。研究代表者らが2002年に細胞レベルの実験でアルツハイマー治療薬としての可能性を論文報告したR-flurbiprofenの第III相治験が米国の企業によって行われたが、アルツハイマー病の治療効果は認められなかった。この治験の失敗によって、我々が以前から述べているように、Aβ42産生抑制作用を含むNSAIDがもつメカニズムについて更なる検討の必要性が求められることになった。初代マイクログリア細胞にイブプロフェンを加え、マイクログリアの活性マーカーとPGE2産生量を測定した。我々が以前報告したマウス脳内アミロイド病理を抑制した時の脳内イブプロフェン濃度(約5uM)ではマイクログリアの活性マーカーは抑制されない一方、PGE2産生は有意に抑制された。このことはイブプロフェンは抗炎症作用を発揮しながら、有用であるとおもわれるマイクログリアの活性を阻害しないことを示唆する。抗炎症作用も含めたNSAIDのアルツハイマー病理に対する作用を明らかにしていくことで、より合理的な投与プロトコールや新規化合物の開発の提案を目指す。デイサービス利用者に対する非薬物療法介入研究では高感度CRPを測定している。最初の100人に対する6か月の介入が終了した現時点でのプレリミナリーな解析ではCRPと主要アウトカムの間に相関は認めていない。
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