研究課題
アルツハイマー病の中心病理であるアミロイド病理は炎症との関連が古くから指摘されているが、直接的な証拠に乏しいのも事実である。アルツハイマー病モデル動物(APPトランスジェニックマウス)を3つの異なるマウスストレインを2~3世代交配し、背景遺伝子によるアミロイド蓄積への影響を調べた。我々はこれまでにDBA由来の背景遺伝子が多いとB6またはSJL由来の背景遺伝子が多い個体よりもアミロイド蓄積量が3分の1程度になることを明らかにしている。アルツハイマー病の中心病理であるアミロイド病理の違いの原因について炎症系が含まれているか検討した。DBA、SJL、B6の純系マウスおよに、これらの背景遺伝子が混ざったアルツハイマーモデル動物の炎症関連遺伝子の発現量の差を測定した。我々が以前報告(Morihara Neuropsychopharmacokogy 2005)したα 1-antichimotrypsinも含め現在までこのアミロイド蓄積を説明できる炎症関連分子は見つかっていない。新規アルツハイマー病治療薬としてのNSAID誘導体の共同研究を行っている。富山医科薬科大学竹内教授グループが合成したフッ素化NSAIDについては、そのR体のAβ42産生抑制作用を以前に報告した方法(morihara J Neurochem 2002)で調べた。現在のところ、Aβ42を特異的に抑制するという作用は見出されていない。
すべて 2009
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件)
EMBO Mol Med Jul ; 1(4)
ページ: 223-35
Neurodegener Dis. 6(5-6)
ページ: 230-9
Genes Brain Behav Jun ; 8(4)
ページ: 473-80
Neurosci Lett 461(2)
ページ: 177-80
Biochem Biophys Res Commun 379(3)
ページ: 691-5
J Neurochem 108(1)
ページ: 33-43