研究課題/領域番号 |
20591409
|
研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
中込 和幸 鳥取大学, 医学部, 教授 (30198056)
|
研究分担者 |
兼子 幸一 鳥取大学, 医学部, 准教授 (50194907)
最上 多美子 鳥取大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80368414)
前田 和久 鳥取大学, 医学部附属病院, 講師 (40283981)
池澤 聰 鳥取大学, 医学部附属病院, 医員 (30444623)
神尾 聡 鳥取大学, 医学部, 助教 (30323588)
|
キーワード | 認知矯正療法 / 統合失調症 / 認知機能 / 社会機能 |
研究概要 |
本年度の実施計画をまとめると、(1)認知矯正療法の理論と実践についてのマニュアルの邦訳を完成させ、出版すること、(2)認知矯正療法に用いることが可能な教育用ソフトウェアを集積し、その評価を行い、ソフトウェアライブラリーを構築すること、(3)マニュアルをもとに治療スタッフの育成を行いながら(スーパーバイズを伴いながら)、オープントライアルに着手すること、であった。 (1)については、2008年12月に星和出版より「精神疾患における認知機能障害の矯正法臨床家マニュアル」というタイトルで出版された。マニュアルの邦訳は出版以前より完成しており、その内容に基づいて、スーパーバイズを行いながら、複数施設での認知矯正療法セッションを開始した。(2)については、市販の教育ソフトウェアから比較的特異的な認知機能領域をターゲットとしたもので、映像が美しく、魅力的で、ユーザーが難易度の調整をできる、など、高い内発的動機付けが得られるものを選択し、ソフトウェアライブラリーを構築した。(3)については、当大学を含め5施設で6ヶ月間のオープントライアルを施行した。評価項目として、BACS(認知機能)、PANSS(精神症状)、LASMI(社会機能)を用いて、6ヶ月間の認知矯正療法セッションの効果について検討した。BACS、PANSSについては、認知矯正療法を行わず、年齢、性をマッチした対照群にっいても6ヶ月の間隔で2回評価を行い、比較した。その結果、精神症状、社会機能については6ヶ月間で有意な変化は認められなかったが、認知矯正療法群(n=29)で対照群(n=22)に比して、有意に認知機能の改善が認められた。
|